1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08839023
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Section | 時限 |
Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute for Neuroscience |
Principal Investigator |
荻本 真美 (財)東京都神経科学総合研究所, 微生物学・免疫学研究部門, 主事 (80158609)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢倉 英隆 (財)東京都神経科学総合研究所, 微生物学・免疫学研究部門, 参事 (60166486)
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Keywords | B細胞 / CD45 / シグナル伝達 / アポトーシス / 増殖抑制 / MAPキナーゼファミリー / NF-κB |
Research Abstract |
CD45は未熟B細胞株WEHI-231ではアポトーシスをネガティブに制御し、成熟B細胞株BAL-17では増殖抑制をポジティブにしかも決定的に制御している。この分化段階特異的なCD45の機能の分子基盤を明らかにするために、本年度はB細胞抗原レセプター(BCR)シグナル伝達経路の下流にあるMAPキナーゼファミリーに属するERK,転写因子であるNF-κBに関して、未熟B細胞株、成熟B細胞株で比較検討した。その結果、抗lgM抗体刺激により誘導されるERKの活性化は、BAL-17では親株よりもCD45陰性クローンで増強しており、CD45によりERKの活性化はネガティブに制御されていることが示唆された。一方、WEHI-231では親株とCD45陰性クローンとの間にほとんど差は認められなかった。また、NF-κBの活性化は、WEHI-231においては、親株では抗lgM刺激により活性化が誘導されるのに対し、CD45陰性クローンでは刺激前から構成的に活性化が認められ、NF-κBの活性化はCD45によりネガティブに制御されていることが示唆された。その一方、BAL-17ではCD45の有無による差は認められなかった。 現在、CD45がMAPキナーゼファミリーのJNK,p38をどのように制御しているのかについてWEHI-231とBAL-17で解析を進めている。この結果をもとに、MAPキナーゼやNF-κBの上流および下流のシグナルの検索と、これらのシグナル伝達を担っているCD45の細胞内領域を決定する実験に進む予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Nomura,Takashi: "Antigen receptor-mediated B cell death is blocked by signaling via CD72 or treatment with dextran sulfate and is defective in autoimmunity-prone mice." International Immunology. 8. 867-875 (1996)
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[Publications] Mizuno,Kazuya: "Hematopoietic cell phosphatase,SHP-1,is constitutively associate with the SH2 domain-containing leukocyte protein SLP-76,in B cells." The Journal of Experimental Medicine. 184. 457-463 (1996)
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[Publications] 矢倉英隆: "リンパ球のシグナル伝達機構:チロシンホスファターゼによる制御" 東京都神経科学総合研究所年報. 24. 79-81 (1996)
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[Publications] 有村裕: "Bリンパ球の増殖およびアポトシースの制御に関する研究" 東京都神経科学総合研究所年報. 24. 84-85 (1996)