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1997 Fiscal Year Annual Research Report

第三世代システムとしての心の認知活動の研究

Research Project

Project/Area Number 08871001
Research InstitutionKyushu Institute of Technology

Principal Investigator

中村 雅之  九州工業大学, 工学部, 助教授 (70207918)

Keywordsオートポイエ-シス / 創発性質 / 構造的カップリング / エナクション / シミュレーション説 / カテゴリー
Research Abstract

オートポイエ-シス理論が、心の認知活動の研究に対してもつ意味は、この理論が、従来の認知科学の基本的枠組みである「認知主義」に対するアンチテ-ゼとなる点に求めることができる。認知主義の基本仮定は、1.表象主義、2.脳の情報処理モデルである。オートポイエ-シス理論は、これとは根本的に異なる枠組みを認知科学に対して提供する。まず、そこでは認知活動は、「表象」によっては説明されない。認知は、表象・を介さずに、身体(生体システム)と環境との構造的カップリングによって説明されることになる。次に、認知活動は、脳の情報処理によっては説明されない。脳をコンピュータになぞらえ、感覚器からの「入力」情報と、運動器への「出力」情報によって認知活動を説明するのが認知主義の立場であった。これに対して、オートポイエ-シス理論の立場からは、システムへの入力、出力という概念は、観察者の視点に相対化され、一義的なものではなくなる。
以上の帰結として、心は脳に限局されるものではなく、認知は、脳を含めた身体(生体システム)と環境との構造的カップリングを代表とする相互作用によって解明されることになる(生体と環境との区別も客観的、一義的なものではありえない)。より大きな理論枠組みの観点から、このことを表現すれば、客観主義(認知とは心とは独立した世界の客観的写像である)へのアンチテ-ゼであるということになる。
以上の基本的枠組みの応用例として、本年度は、幼児の信念帰属は、身体図式を基礎にした「シミュレーション」によることを主張する論考を学会発表した。これは言語習得以前のカテゴリーの習得を、信念帰属のシミュレーション説の立場から解明したものである。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Publications (1 results)

  • [Publications] 中村 雅之: "主観-認知科学と経験の関係からの考察-" 『アルケ-』(関西哲学会). No.6. (1998)

URL: 

Published: 1999-03-15   Modified: 2016-04-21  

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