1996 Fiscal Year Annual Research Report
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08871010
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| Research Institution | Kyoto National Museum |
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Principal Investigator |
久保 智康 京都国立博物館, 京都文化資料研究センター・研究員(主任研究官) (50234480)
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| Keywords | 飾金具 / 釘隠 / 引手 / 桃山時代 |
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| Research Abstract |
本年度は、桃山時代から江戸時代前期期にかけて、飾金具が様式上あるいは技法上どのように変遷するのかを把握するために、16世紀後葉から17世紀中葉の時期の建物について、調査を行った。
具体的には、まず文禄から慶長前半期の伏見城や聚楽第の遺構とされる、都久夫須麻神社本殿(滋賀県湖北町)と高台寺霊屋(京都市)の飾金具、さらに元和〜寛文年間に三期の造営がなされた桂離宮各建物の釘隠・引手類について全点調査を行い、計測・写真撮影ののち、金具1個毎のデータカードを作成。さらにデータベースを構築した。またこの前後の作品の特徴をとりあえず捕捉する目的で、勧学院客殿(慶長五年・大津市)の釘隠・引手類、豊国神社蔵の唐櫃三合(慶長後半期・京都市)の飾金具、北野天満宮本殿(慶長十二年・京都市)飾金具、大覚寺正寝殿帳台構(慶長〜元和年間)、名古屋城本丸御殿帳台構(寛永五年・名古屋市)飾金具などの調査とデータ整理を行った。また大量に金具が存在する瑞巖寺方丈・大崎八幡神社本殿(宮城県)、日光東照宮(栃木県)、二条城二之丸御殿(京都市)などについて、本調査のための予備調査を行った。
細分類・型式組列構築・型式の空間分布など、細部にわたる分析は次年度に行う予定であるが、現段階で、意匠の上で桃山様式と江戸様式を明確に識別することができた。また技法の上でも、室町時代的な粗い彫法が主体を占める慶長前半期から、徐々に彫法が平面的になる慶長後半〜元和期、さらに彫法が細密化し技術も平準化される寛永期という具合いに、段階的に技法変遷を把握することができた。
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