1997 Fiscal Year Annual Research Report
20世紀前半期「死亡記録簿冊」にみる東北-農村の疾病及び死因に関する統計的研究
Project/Area Number |
08871027
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
高木 正朗 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (70118371)
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Keywords | 死亡 / 埋葬許可証 / 疾病 / 死因 / 基礎人口 / 現住人口 / 乳児死亡 |
Research Abstract |
1997年度の研究課題は、(1)山形県村山市に出張し明治31年以降50年間の「埋葬許可証台帳」を撮影する、(2)同地で地元医家の死亡記録所在調査をおこなう、(3)比較対象地域たる岩手県藤沢町での台帳所在調査をする、(4)過年度収集資料の解読とデータ入力をおこなうこと、以上4点である。 (1)については、地元研究者の全面的協力により所期の目的を達成できた。昨年収集した資料を加えると、完璧では必ずしもないが、明治17〜昭和28年までの約70年間の死亡時系列データが揃ったことになる。また諸指標算出のための基礎人口(base population)調査もおこない、行制村を構成する3大字の、明治15年1月17日現在の「現住人口」記録を入手できたことは大きな収穫だった。これと並行して府県統計書の検索をおこない、基礎人口の目処をつけることができた。 (2)については、地元には2軒の医家があったが、現在も医業を継続しているのは1軒である。訪問調査の結果、診療施設の移転と改築により死亡記録は、残念ながら、廃棄したとのことだった。 (3)については、前期(1)、(2)との関係で時間的制約があり、十分な調査ができなかった。 (4)については、明治21〜30年までの10年間の「埋葬許可証台帳」について、マイクロ・フィルムからの紙焼コピー作成、解読そしてデータ・ベース構築(レコード総数781[男子396、女子385]、フィールド数65)をおこなった。このうち、明治22年2月までのデータ・ベースには「死産」記載があるので、昨年収集分の記録とあわせると、明治中期の乳幼児死亡率を算出することが可能と考えられる。 1998年度には、明治31年以降の資料の解読とデータ・ベースの作成そして全データを対象とする詳細な分析をおこない、「報告書」作成へと展開する予定である。
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