1996 Fiscal Year Annual Research Report
男性のライフ・スタイルの変容と社会参加についての実証的研究と男性学の可能性
Project/Area Number |
08871028
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
中村 正 立命館大学, 産業社会学部, 助教授 (90217860)
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Keywords | 男性 / ジェンダー / 社会病理 / 暴力 / ライフスタイル / 男女共同 / 男らしさ / インタビュー調査 |
Research Abstract |
(1)男性のライフ・スタイルと社会意識、価値観の変容を明らかにするために、先行する調査研究のサーベイを行った。特に、男女協同参加型社会という問題意識のもとで行われている自治体の各種調査を収集し、男性のライフスタイルの変容、価値観の世代間差異、家族との関わり、社会参加の程度などを焦点にして、マクロ的なデータを集め、サーベイを行った。さらに、自殺、離婚、アルコール依存症、暴力などの社会病理指標に関しての調査データを収集し、これらを男性問題という視点から、再構成し、問題の所在を明らかにするための基礎的作業を行った。これらは「男性問題データベース」として、広く利用できるように出版する計画である。 (2)全国各地で活動する、男性問題についての非営利団体、市民団体の活動内容についての聞き取り調査とネットワーク化を行った。96年11月には、全国規模でのカンファレンスを開催した。ワークスタイルと男性問題、父子家庭、暴力をなくす取り組み、アルコール依存症者の組織、男性への各種サポートグループなどである。歴史的沿革、活動内容、参加者の特徴、社会的役割などについての基礎的な聞き取りを行った。成果の一部は会議内容報告という形で出版する予定である。 (3)第2年目の研究を行うための基礎作業を行った。平成9年度のインタビュー調査を展開するインタビュー・フォーマットを作成し、男性のライフスタイルの変容とジェンダー・アイデンティティをとらえるための理論的フレームとインタビュー調査の手法の開発(ボブ・ブラウナ-教授の「当事者の社会学」という手法に準拠している)を準備した。特に、オープン・クエスチョン形式で男性のジェンダー・アイデンティティの変化をとらえるためのインタビュー・ストラクチャーの作成と関わった男らしさのレトリカル・ワークをどのようにポイントにできるかについての研究を行った。研究論文として公表する。
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[Publications] 中村 正: "男らしさの文化表象とレトリカル・ワーク" 立命館教育科学研究プロジェクト研究報告. IV. 35-55 (1997)
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[Publications] 中村 正: "「男らしさ」からの自由" かもがわ出版, 63 (1996)
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[Publications] 中村正(中村彰と共編著): "男がみえてくる自分探しの100冊" かもがわ出版, 220 (1997)