1997 Fiscal Year Annual Research Report
コンピューター利用による殷虚甲骨の総合研究-物質資料としての側面からのアプローチ-
Project/Area Number |
08871042
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
鈴木 敦 茨城大学, 人文学部, 講師 (00272104)
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Keywords | 甲骨文字 / コンピュータ / データベース / 外字 |
Research Abstract |
本研究は3年計画で(1)〜(4)の四項目にわたる作業を行うこととして、申請を行っている。第二年度に当たる本年度は、昨年に引き続き、(1)の甲骨の出土状況に関する正式報告書の整理検討、(4)外字・甲骨原字のコンピューター処理法の研究を中心に行った。但し、作業の進展に伴って新たに必要とされる作業、別途方策を探るべき課題が生じたため、(1)・(4)の中で、作業の比重/方向性に変化が生じた。 (1)に関しては、引き続き甲骨拓本画像のデータベース化を進め、現行著録の約4割の電子化を完了した。作業の過程で、同一甲骨が別途採拓の上、異なる著録に収められているケースについて、相互関係を正確に把握する必要が生じた。この作業は、従来、研究者の記憶と勘に頼り散発的に行われて来たが、本研究においては全面的に漏れなく行う必要がある。しかし、数万点を数える甲骨拓本に対してこの作業を完全に行うことは、従来の方法では到底不可能である。そこでパソコン上で画像のヒストグラムを算出・比較するプログラムを作成し、候補を自動的に絞り込むシステムを開発した。既にその大枠は完成し、より精度を高めるための調整作業中である。来年度早々にプログラムを完成させ、期間中のデータベース完成を目指したい。 (4)に関しては、作業の前提となる甲骨原字の文字域調査を続行し、その成果の一部を発表した。文字域調査並びに成果発表は、来年度も引き続き進めて行く。外字化に関しては、文字鏡研究会より、既刊の『今昔文字鏡』(CD-ROM)の新訂版に甲骨原字を収録する計画への参画を求められ、これと合同することとなった。第一弾として最も代表的な甲骨原字、約3500字を収めた新訂版は、本年6月頃刊行の予定である。収録文字をさらに追加すべく、引き続き作業中である。
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Research Products
(2 results)