1996 Fiscal Year Annual Research Report
京阪式アクセント低起式音調の消失化に関する社会言語学的調査研究
Project/Area Number |
08871046
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
都染 直也 甲南大学, 文学部, 助教授 (30179999)
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Keywords | 京阪式アクセント / 社会言語学 / 音声学 / 方言学 |
Research Abstract |
今年度は、下記の事項を中心に研究を実施した。 ・過去の研究(研究代表者自身によるもの)成果のまとめ 過去に実施したアクセント調査の資料のうち、低起式無核音調の語を中心に、高起式無核音調の語を含め、音調変化に関連性の認められる語を抽出した。 ・大学生話者による予備調査 高砂市・加古川市などの東播磨地域出身の学生4名について、2〜3拍名詞約2400語のアクセント調査を実施した。東播磨地域は、大阪阪神間に比べると、若年層においてても方言的要素の残存が大きいと考えるからである。この地域で、低起式〜高起式のゆれる語は、他地域でもゆれる可能性が大きいと考える。この調査結果と、他の資料とを統合し、最終的な調査票を作成する。個人差はあるものの、中年層・高年層と比較すると、低起式音調消失の傾向が少しずつ顕在化しつつあるようである。 ・昭和一桁生まれ話者による用言のアクセント 姫路市生え抜きの昭和一桁生まれの話者1名について、用言約1400語のアクセント調査を実施した。用言においても「書ける」「欠ける」のような高起式・低起式による意味の異なるものが多数みられる。意味の対立を除いても、動詞は高起式無核・低起式無核の二型が対立しており、低起式消失によって、型の対立を失うという大変化が生じうる。 この調査の結果は、「姫路市的形町方言のアクセント(7)」として、甲南大学紀要(1997年3月発行予定)に発表の予定である。
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Research Products
(1 results)