1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08871050
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
内野 儀 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (40168711)
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Keywords | エイズ / アメリカ演劇 / 1980年代 / ゲイ・カルチュア / パフォーマンス / アクティヴィズム / フェミニズム / イメージの演劇 |
Research Abstract |
本研究の目的は、エイズ(後天性免疫不全症候群)という病が、1980年代以降のアメリカ演劇とどのようにかかわったのかを、3年間にわたる研究によって、明らかにすることにある。初年度の平成8年度は、主として基礎資料の収集を行なった。その際、アメリカ現代演劇の代表的研究者であるニューヨーク大学のリチャード・シェクナ-教授と連絡を取り合い、資料収集の方法その他について随時指導をしていただいた。その結果、出版されているエイズ及び1980年代以降のアメリカ演劇関係の書物のほか、インターネット等を利用しての雑誌・新聞記事、さらに、実際に80年代以降活躍している演劇人・演劇集団にまつわる資料(ビデオ・プログラム等)を、まだ満足できる量とは言えないものの、相当収集することができた。また、当該研究年度内に、実際にニューヨークに滞在する機会を得たので、ニューヨーク市立図書館の舞台芸術分館及びニューヨーク大学大学院パフォーマンス研究科図書館において、資料収集およびビデオの視聴を行なうことができた。さらに、年度末には、再度ニューヨークに行き、シェクナ-教授に研究の成果についてレヴュ-を受ける予定である。現在、集まった資料の整理を行なっている段階であるが、次年度も引き続き、さらなる資料収集を行なうほか、今年度収集した資料に基づき、具体的な研究を効率的に進行させていく予定である。当該年度中、エイズと直接かかわる主題とは言えないが、80年代に先立つ「イメージの演劇」についての論考を雑誌「ユリイカ」に、また、ニューヨーク滞在中に集めた資料により、また別の論考を雑誌「テアトロ」に発表した。
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