1996 Fiscal Year Annual Research Report
ドイツ語圏活字メディアに於ける日本報道及びその使用言語特徴の変遷の研究
Project/Area Number |
08871056
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
江口 豊 北海道大学, 言語文化部, 助教授 (70203627)
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Keywords | コーパス言語学 / 語彙論 / コロケーション / メディア言語学 / 異文化接触 / 日本イメージ / ドイツ語メディア |
Research Abstract |
本年度は、当初の予定通り関連文献資料の収集と言語資料の作成を行った。 まず、関連文献資料では、メディア言語研究文献、特に雑誌DER SPIEGELを直接の研究対象とした言語学の諸文献も入手した。 また言語資料の作成は、資料作成補助者二名の助けを借り、この研究計画のために購入したパーソナルコンピュータに文字読みとり装置を付け加えることで格段に能率を挙げることが出来た。作業は、各年度の年間目録の「日本」項目などを参考に日本関連記事を拾い出すことから始まり、当該号の当該頁をパーソナルコンピュータに読みとらせ、補助者が綴りの誤り等を正すという手順で行われた。さらに、テキスト処理上必要な大文字小文字やドイツ語特殊文字の変換などの処理が施され、それぞれの記事の分類も行われた。 現時点で、1950,1955,1960,1965,1970,1975,1980,1985,1990,1995の十年分のDER SPIEGEL誌掲載の日本関連記事の殆どをテキスト処理可能なコーパスにした。最後の二年分については、次年度の予算で市販されているCD-ROMを購入し、それにより遺漏の有無を調べる予定である。本研究の中で傍証的な役割を果たすために韓国・朝鮮関連の記事をも収集したが、量的に比較対象とすることが困難であることが判明した。このため、次年度に同様の手法で、ヨーロッパ圏の国に関する記事のコーパス化を予定している。本年度は、コーパス作成作業に時間と労力を割かざるをえなかったため、実際の言語学上の考察に入らず、研究成果を発表するところに至ってはいないが、日本関連の記事のコーパス化作業の過程で得られた知見を北海道大学言語文化部紀要に本年度末に発表する予定で、原稿を準備している。
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