1996 Fiscal Year Annual Research Report
ポスト冷戦時代における主権概念の再編成-対内的側面と対外的側面の統合
Project/Area Number |
08872007
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
秋月 謙吾 京都大学, 法学研究科, 助教授 (60243002)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 寛 京都大学, 法学研究科, 助教授 (30237325)
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Keywords | 主権 / 国家 / 冷戦構造 / 中央地方関係 / 国籍 / 安全保障 / 脅威 |
Research Abstract |
本研究の初年度である平成8年度、研究代表者と研究分担者の間でそれぞれの専門領域からみた現在の国家主権のあり方を相互に検討し、共通の理解枠組みをもつための準備作業を開始した。 研究代表者は、行政学の立場から、我が国における、中央地方関係にとっての国際環境の変化の意味あいを、従来の研究成果を検討すると同時に、実地調査によって明らかにしようと試みた。例えば地域経済の諸外国の関係(具体的には九州と韓国、沖縄と台湾、新潟とロシアなど)、外国人住民登録の問題、地方公務員の国籍問題など、いくつかの政策領域で複数の地方自治体の対応を調査し、その変容の過程を分析するための資料を収集した。 研究分担者は、国際政治学における、冷戦後の国家に対する脅威の概念や安全保障の諸問題について、欧米、アジア太平洋、日本での分析を実証的に比較検討するための資料収集にあたった。インターネットや商用ネットワークを通じ、あるいは直接内外の関係省庁や研究機関から収集したこれらの一次資料文書は、スキャナなども利用してコンピュータに入力され、現在整理を進めつつある段階である。 今後は、それぞれのデータ蓄積をよりいっそう進めるとともに、研究代表者と分担者の相互でさらに意見を交換して、主権の概念とその実質的な意味あいが国際システムの変動とともにそのように変容していったか、理論的な分析枠組みの対内的側面と対外的側面との統合をはかることを目標とする。
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Research Products
(2 results)