1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08873005
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
関根 正行 東北学院大学, 経済学部, 教授 (40048773)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若生 徹 東北学院大学, 経済学部, 助教授 (40210877)
高橋 秀悦 東北学院大学, 経済学部, 教授 (40114954)
山崎 和郎 東北学院大学, 経済学部, 教授 (60048808)
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Keywords | 分断化された市場 / ブロック三角形 / グラビティ係数 / ハーフィンダール指数 / 大学収容力指数 / 入学金格差 / 授業料格差 / 初年度納入額格差 |
Research Abstract |
1.従来の、大学・短大などの高等教育機関や学生数等の社会学的分析は、天野郁夫氏や市川昭午氏(現在、ともに国立学校財務センター教授)などの教育社会学者を中心として行われてきた。また、高等教育の経済分析は荒井一博・一橋大学教授や矢野眞和・東京工業大学教授を中心として行われてきた。まず、われわれは、研究の出発点として、これらの著書・論文の整理と要約を行った。 2.さらに、今回、新たにデータ分析を行った結果、次のような暫定的な結論を得た。これらについては、平成9年度に、われわれが所属するいくつかの学会で報告する予定である。 (1)大学教育サービスの市場は、(国公立大学も含めて)全国をカバーした市場ではなく、東・西日本に大きく分かれること、また、基本的には、学生の出身県および隣接県を単位として市場が形成されていることを、『学校基本調査報告書』のデータより、「ブロック三角形の係数」や「グラビティ係数」を計算し確認した。 (2)学生数の集中度を示す「ハーフィンダール指数(県別・ブロック別)」と学生の需給ギャップの指標である「大学収容力指数」を計算し、これに基づいて回帰分析を行ったところ、「大学教育サービスの市場が競争的である程度、他県の学生を吸収している」という結論に達した。 (3)私立大学の入学金は、私立大学を規模別、地域別、設置時期別の分けてみると、人文科学系、社会科学系、工学系を問わず、いずれにおいても、統計的に有意な差がみられた。人文科学系と社会科学系の授業料については、地域別、設置時期別で統計的に有意な差がみられた。また、人文科学系と社会科学系の初年度納入額を、大学の規模別に分けてみると、統計的に有意な差がみられた。
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