1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08873009
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
鈴木 秀一 帝京大学, 理工学部, 講師 (30216387)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 英夫 帝京大学, 理工学部, 教授 (90219064)
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Keywords | 電子貨幣 / 暗号 / 公開鍵暗号 / 秘密鍵暗号 / ネットワーク型電子マネー / 双有理幾何学 / 代数幾何学 / 電子マネー |
Research Abstract |
平成8年度から「情報セキュリテイと電子貨幣」の名称で研究を開始し、暗号ソフトウェアなどを開発してきた。現実にネットワーク上でネットワーク型電子貨幣を実現できる環境を整えることも出来た。このような実験を行う手がかりとして、インターネット上にホームページhttp://www.alles.or.jp/^〜abel/を開設した。 研究計画に従って、銀行などの金融機関などに電子貨幣の実験への協力を依頼してみたが、すべて断られた。既に主な金融機関は独自に電子貨幣の実験プロジェクトをスタートさせていて、これらのグループの機密保持の重要性が増してきているためである。 これまでの、日本における電子貨幣の実験はすべてMondexのようなICカード型電子マネーである。これらは小額の決済のみを目的としていて、金融経済などに大きな影響が出ると考えられるネットワーク型電子貨幣はまだ登場していない。日本におけるネットワーク事情が不十分であり、ストレスなく使用できるネットワーク型電子貨幣の設計に問題点があるからである。このために安全で高速な暗号技術の開発が望まれるわけで、本研究の主要な目的は、実質的に、この点に絞られてきた。 実用的なネットワーク型電子貨幣の基礎技術として、平成9年度には、双有理幾何学を使用した公開鍵暗号方式を発明した。また可能な限り高速で、かつ実質的に非常に大きな鍵空間を持つ秘密鍵暗号方式も発明した。これらは現在、特許出願中、または出願準備中であるが、平成10年度中には、論文などで、技術的な詳細を公表できるはずである。いずれの暗号も代数幾何学的なアイディアを基礎にしている。
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