1996 Fiscal Year Annual Research Report
A_2BX_4型ハロゲン化合物の物質探索とその経験則の研究
Project/Area Number |
08874024
|
Research Institution | Iwaki Meisei University |
Principal Investigator |
清水 文直 いわき明星大学, 理工学部, 助手 (20206212)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高重 正明 いわき明星大学, 理工学部, 教授 (70114527)
|
Keywords | 強誘電体 / 相転移 / ハロゲン化合物 / α-β転移 / 置換効果 / 経験則 |
Research Abstract |
1.Tl_2ZnI_4、Tl_2CoI_4について 1)強誘電体Tl_2ZnI_4(下司により強誘電性が見い出された)に続いて、本研究課題の初期の段階でTl_2CoI_4を合成し、強誘電性を示すことを見いだした。 2)Tl_2ZnI_4、Tl_2CoI_4とも熱測定(DTA)により、高温側、融点までにはα-β転移と呼ばれる構造相転移に対応するような異常が存在しないことが分かった。 3)この系統の物質では、λ型の誘電率の異常(T_c)の下に、肩状の異常(T_s)を伴うことが分かっている。置換効果としては、一般式A_2BX_4で表した場合、強誘電体K_2ZnI_4とK_2CoI_4のAサイトを、それぞれKイオンよりも大きくて重いTlイオンに置換することによって、転移点(T_c,T_s)が低温側にシフトすることを明らかにできた。 2.混晶系(Rb_<1-x>K_x)_2CoI_4について 1)高温側に、α-β転移を持つRb_2CoI_4と、我々が強誘電性を発見したK_2CoI_4との混晶系(Rb_<1-x>K_x)_2CoI_4の結晶育成を行い、DTAにより、K_2CoI_4にはα-β転移が存在しないことを明らかにした。 2)Rb_2CoI_4ではT_cが30Kと低いため、T_sに対応する異常は確認されていなかったが、今回上記の混晶系において、仕込み組成x=0.35で明瞭にT_sが現れることを明らかにした。 3)AサイトのRbイオンをそれよりも小さくて軽いKイオンに置換していくと、転移点(T_c,T_s)が高温側へシフトしていくことが分かった。この傾向は、混晶系(Rb_<1-x>K_x)_2ZnI_4においても既に確認している。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] F.Shimizu et al.: "Ferroelectricity in Tl_2CoI_4" Journal of the Physical Society of Japan. 65. 870-871 (1996)
-
[Publications] F.Shimizu et al.: "Dielectric Properties of Cs_2BX_4(B=Zn,Co ; X=Cl,Br,I)" Ferroelectrics. 185. 301-304 (1996)
-
[Publications] F.Shimizu et al.: "Phase Transitions in the Solid Solution K_2ZnI_4-Rb_2ZnI_4" Journal of the Korean Physical Society. 29. S406-S463 (1996)