1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08874041
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
青木 禎 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (00012477)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 俊夫 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (40256475)
松本 みどり 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (70260958)
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Keywords | 単一光子状態 / 自己相関関数 / カスケード遷移 / 干渉計 / 波束 |
Research Abstract |
この研究の目的は、単一光子状態における波束の空間自己相関関数を直接測定することによって波束の形状に関する知見を直接得ることである。実験の概要としては、電子衝突励起による水銀原子のカスケード遷移から一対の光子を生成し、カスケード光子の一方を計測トリガーとして用い、他方の光子に伴う波束の自己相関関数をマイケルソン干渉計によって測定する。 このうち今年度は以下のことを行った。 1.水銀原子のカスケード遷移による光子を得るための準備段階として、電子ビームと水銀原子の衝突用チャンバーを作成し、電子ビームによって励起された水銀原子の蛍光測定を行った。数100eV程度の高エネルギー電子の場合、測定対象となる光子の放出過程は、電子による水銀原子イオン化の際に放出された2次電子の水銀原子励起によるものであることがわかった。このように水銀と電子との相互作用自体、非常に興味のある内容であるが、水銀原子のカスケード遷移による光子を得るためには、今後電子エネルギーの調整、フィルターの使用などを考慮する必要がある。 2.単一光子状態に先立つ予備実験として、長光路差マイケルソン干渉計を組立て、デジタルカメラからの干渉パターンのコンピューター取込みによる空間コヒーレンス解析システムを作成中である。 このように光源と光学系とに分かれて実験を進めてきたが、来年度はこれらを連結して本実験に入る予定である。
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