1996 Fiscal Year Annual Research Report
ルミネッセンス特性に基づくジルコン・モナザイトのメタミクト化の解析
Project/Area Number |
08874051
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
足立 守 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10113094)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 和博 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90111624)
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Keywords | メタミクト化 / ジルコン / ウラン・トリウム鉱物 / CHIME年代 |
Research Abstract |
ジルコンなどのようにウラン・トリウムを含む鉱物ではメタミクト化が起こることは知られているが,メタミクト化の実態は明らかではない.本萌芽的研究では,ジルコンのルミネッセンス特性から,ジルコンのメタミクト化の程度とCHIME年代(ウラン-トリウム-鉛年代)の関係について,以下の予察的な検討を行った。 (1)すでに同位体年代が測定済みの上麻生礫岩中の片麻岩礫から,パンニング・重液分離によってジルコンを回収した.集めたジルコンをエポキシ樹脂でスライドガラスに固定し,色・形・クラック・インクルージョンの有無を検討した. (2)研磨薄片を作成し偏光顕微鏡で観察後,X線マイクロアナライザーでジルコンのウラン・トリウム・鉛の含有量を測定した.同時に反射電子像で元素の分布パターンを解析した. (3)ジルコンの微小領域のCHIME年代(ウラン-トリウム-鉛年代)とその部分の色との相関を検討した. その結果, (1)薄いピンク色の自形ジルコン粒子は,色むらやインクルージョンはなく,ほとんどメタミクト化していなかった.そのCHIME年代もほぼ一定で,約20億年であった. (2)赤紫色の円磨ジルコン粒子は,部分的に色の濃淡が強く,メタミクト化していた.赤紫色の濃い部分はCHIME年代にもバラツキがみられた.最も古い粒子は,赤紫色の円磨粒子の中心部から見つかった約30億年という始生代のものであった.
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