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1996 Fiscal Year Annual Research Report

ベイツ式擬態の進化

Research Project

Project/Area Number 08874104
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

大崎 直太  京都大学, 農学部, 助教授 (70127059)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 金城 政勝  琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 助教授 (90117573)
Keywordsベイツ式擬態 / 進化 / チョウ / シロオビアゲハ / 性選択 / リリーサー / 非擬態型 / コスト
Research Abstract

チョウのベイツ式擬態は、ほとんどがメスにのみ擬態型を発現する。その理由は、いまだに検証されていない謎である。しかし、おそらくはこうであろうという唯一の仮説は、ダ-ウインが唱えた「メスによるオスに対する性選択仮説」である。今年度は、シロオビアゲハを用いて、この仮説の検証を試みた。
実験の結果は、従来の仮説を前提とした予測と2重の意味で異なっていた。予測では、オスはメスの斑紋型を選ばないが、メスはオスの斑紋型を選ぶ、となっていた。しかし、結果は逆で、オスは非擬態型のメスを選ぶが、メスはオスを選ばなかった。
オスは自種のメスを認識する際、種固有の斑紋型を目印にしている、という研究は少なからずある。メスの斑紋型に模した様々な模様を作りオスに示すと、自種の特徴的な模様に反応し、近寄ってくることが、幾つかの種の実験で分かっている。このようなオスを引きつける模様をオスの交尾行動を解発する「リリーサー」という。シロオビアゲハの非擬態型は下翅に7つの白い斑紋が帯のように連なっているが、この白い紋がリリーサーと考えられる。一方、擬態型のメスは、この白い紋が下翅の中央に3点残るのみで、オスを引きつける効果は減じていた。つまり、メスの擬態型は擬態することによりオスに選ばれなくなるという「コスト」を払っていることになる。
一方、オスは、どのような人為的に異なった斑紋型を持とうとも、メスに区別なく受け入れられた。このことは、少なくともメスが視覚的にオスを斑紋型で識別している可能性を否定しており、メスによる性選択仮説は否定されたと言ってよいだろう。

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Published: 1999-03-08   Modified: 2016-04-21  

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