1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08874117
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
菊山 榮 早稲田大学, 教育学部, 教授 (20063638)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 則行 早稲田大学, 人間総合研究センター, 助手 (80267450)
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Keywords | フェロモン / 両生類 / イモリ / 求愛行動 / 性誘引物質 / プロラクチン / 雄性ホルモン / ソデフリン |
Research Abstract |
申請者らは脊椎動物で初のペプチドフェロモン、両生類で初のフェロモン(雌誘引活性を持つ)をアカハライモリ肛門腺より単離同定した。本研究ではこのフェロモン(ソデフリン)の抗体を用いてソデフリンの定量化(ラジオイムノアッセイ)に成功した。ラジオイムノアッセイ法によりソデフリンの作られる肛門腺におけるソデフリン量の、ホルモン処理による変動について調べたところ、プロラクチンやテストステロンによって有意に含量が増えること、両者の同時投与でさらに効果が高まることがわかった。さらにこれらホルモンの内、プロラクチンは明らかに自然界で見られる求愛行動の発現に関与していることも明らかになった。すなわち、野外で求愛行動を行っているオスイモリにプロラクチン抗体を投与すると求愛行動の頻度と発現率の低下を示し、抗体投与をやめてプロラクチン投与を開始すると回復することが示された。一方ソデフリンの遺伝子に関してはその部分的cDNAのクローニングに成功し、その解析から10個のアミノ酸より成るソデフリンは、肛門腺が分泌するより大きい分子の一部であることがわかった。またアカハライモリと同族異種の相当部分の塩基配列に2カ所変異のあることもわかった。このソデフリン変異体を化学合成し、シリケンイモリ雌でその活性を試したところ、誘引活性を有することが判明した。そして興味あることにアカハライモリには効果がないことも判明した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] F Toyoda,K Matsuda,K Yamamoto,S Kikuyama: "Involvement of endogenous prolactin in the expression of courtship behavior in the newt,Cynops pyrrohogaster" General and Comparative Endocrinol. 102. 191-196 (1996)
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[Publications] K Yamamoto,F Toyada,S Tanaka H Hayashi,S Kikuyama: "Radioimmunoassay of a newt sex pheromone,sodefrin,and the influence of hormones on its level in the abdominal gland" General and Comparative Endocrinology. 104. 356-363 (1996)
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[Publications] S Kikuyama,F Toyoda,T Iwata,K Umezawa: "Sodefrin,a novel peptide pheromone in the newt cloacal gland" Annals of New York Academy of Sciences. (in press). (1997)