1997 Fiscal Year Annual Research Report
STM/STSによる成膜・エッチングプロセスにおける固体表面反応素過程の解明
Project/Area Number |
08875031
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
遠藤 勝義 大阪大学, 工学部, 助教授 (90152008)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
押鐘 寧 大阪大学, 工学部, 助手 (40263206)
片岡 俊彦 大阪大学, 工学部, 教授 (50029328)
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Keywords | 表面反応素過程 / 第一原理分子動力学 / STM / STS / 局所状態密度 / プラズマプロセス / 反応性イオンエッチング / スパッタリング成膜 / Si(001)2×1表面 |
Research Abstract |
原子サイズの空間分解能で表面電子のエネルギー状態いわゆる局所状態密度が測定できるSTM/STS装置を、また表面反応素過程が電子状態の変化とともにシミュレーションできる第一原理分子動力学の計算機プログラムを完成した。シミュレーションでは、窒化物のスパッタリング成膜におけるZrとAl表面上でのN_2の解離吸着反応、さらに反応性イオンエッチングにおけるF,Cl原子によるSi表面の除去反応素過程を明らかにした。また、実験では、Cl_2が吸着したSi(001)2×1表面をSTM観察した。以下に、研究の進展および新たに得られた知見について述べる。 1.計算機シミュレーション (1)ZrおよびAl表面上のN_2の解離吸着反応モデルの計算から、N_2の解離の活性化エネルギーを求めた。その結果、Zrでは0.55eVと極めて低く、Alでは10eV以上となり、Zr表面上では室温でN_2の解離が進行して窒化膜の形成が可能であるという成膜の実験結果を説明した。 (2)F,Cl原子がSi(001)2×1表面に吸着した場合、Si第1原子層のバックボンドはFが吸着した方がClより弱くなることを計算結果から示し、エッチング速度の違いを説明した。 2.ハロゲンガス吸着Si表面のSTM観察 (1)Cl_2が吸着したSi(001)2×1表面を探針-試料間のバイアス電圧を変化させてSTM観察した結果、4種類の吸着タイプが存在することがわかった。 (2)バイアス電圧を変化させてSTM観察から、Clが吸着することでSi表面の価電子帯は低エネルギー側に、伝導帯はわずかに高エネルギー側にシフトすることを明らかにした。
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[Publications] 有馬 他: "STM/STSによるSi表面の金属原子の観察" 1997年度精密工学会春季大会学術講演会講演論文集. L05- (1997)
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[Publications] 遠藤 他: "STM/STSによる金属吸着Si(001)表面の観察" 1997年度精密工学会秋季大会学術講演会講演論文集. F66- (1997)
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[Publications] K.Endo et al.: "STM/STS and the first principles calculations on Al/Si(001)2×1" Applied Physics A. Vol.66. S1-S4 (1998)