1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08875050
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
須田 義大 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (80183052)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中代 重幸 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (60272514)
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Keywords | セルフメンテナンス / モニタリング / 波状摩耗 |
Research Abstract |
通常の運動を伴う機械システムでは、振動現象や摩擦、摩耗現象によって機械システムの劣化が生じる。そのため、定期的な保守点検作業、すなわちメンテナンス作業を絶えず行い、機械の運転状態を正常な状態に保つことが重要になる。機械の劣化によるシステムの異常が破局を導くような場合では、運転状況を継続的に監視(モニタリング)することも必要である。本研究の目的は、このような手間とコストの掛かるモニタリングとメンテナンス作業について、機械システム自体にその機能を付加することによって自動化を進め、最終的には経済的にも信頼性についても優れたシステムを構築することである。本研究では、このシステムをセルフメンテナンス・システムと呼ぶことにする。 提案するコンセプトはかなり一般的であり、具体的な機械システムに対して実際のセルフメンテナンス・システムを実現するには、個別のハードウエアの設計、ソフトウエアの設計が必要になると考えられる。そこで、本研究では、機械システムのうち、、転がり接触機構を持つために、接触面における自励振動が原因で、接触表面上に周期的な形状が発生する問題、すなわち波状摩耗現象に焦点を当てる。波状摩耗現象は、無限にある振動系の固有値に関連するため、単なる振動系の変更だけでは完全に防止することはできない。 本年度は、次の検討を行い、以下に述べる成果を得た。先ず、波状摩耗対策におけるセルフメンテナンス・システムの概略システムを構築した。すなわち振動現象をモニタリングすることにより、波状摩耗の兆候を捉え、発生に至る前に、波状摩耗に影響を与える振動特性、潤滑状態、運転条件を自動的に制御する考えである。そのため、転がり接触機構における波状摩耗発生メカニズムを詳細に検討し、モデルの同定を行っている。また、モニタリングシステムとしてウエーブレット変換を用いる方式を検討している。今後は、これらの検討を深度化するとともに、さらに、振動特性変更のアルゴリズムの構築を行う予定である。
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