1996 Fiscal Year Annual Research Report
オートポイエ-シス理論の応用によるロボットの自律性の創製に関する研究
Project/Area Number |
08875055
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
浅田 稔 大阪大学, 工学部, 教授 (60151031)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 昭二 大阪大学, 工学部, 助手 (50273587)
細田 耕 大阪大学, 工学部, 助教授 (10252610)
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Keywords | オートポイエ-シス / 自律性 / 内部視点 / 環境 / 境界 / 視覚移動ロボット |
Research Abstract |
本研究では,オートポイエ-シス理論の実ロボットへの適用可能性を探る事を目的としており,本年度は,感覚情報としてソナー情報を有する移動ロボットにおける位相空間構築のシミュレーション及び実験並びに考察を行った.以下が本年度の実績及び評価である. 1.実際の物理的空間で作動する実システムであることを考慮して,センサー情報としてソナー情報を用い,2輪駆動の移動ロボットを対象とした. 2.人工環境を想定し,本能的に埋め込まれた行動として直進と障害物回避行動を採用した.これらの行動は,強化学習などによって容易に獲得できるものであり,これらを埋め込む事による偏りは少ないと見なせる. 3.行為によるソナー情報の変遷(現在は固定長)を統計的に処理することにより,環境中の特徴的な構造を発見することにより,発見可能な構造の種類の広がりが環境の境界を示している考えられる. 4.局所構造とそれらを連結する行為によって構成される位相空間は,知覚可能な構造と行為の拘束を表現しており,ロボットの内部の視点からの外界表現と考えられる. 5.以上をコンピュータシミュレーション及び実機で実験し位相空間の有効性とその限界を検討した.知覚の限界が外界構造と強く結びついている結果が得られた. 6.視覚情報を用いた場合の環境の構造と自己の境界の定義に関する考察を行い,来年度の研究計画を見直した.
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[Publications] 浅田稔: "サッカーロボットにおける振舞の認識と行動." 第1回JSMEロボメカ・シンポジア-ヒューマン・ロボット・シンポジア. 146-149 (1996)
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[Publications] 高村成一: "センサー系と行動系に基づいた移動ロボットの環境構造の獲得" 第14回日本ロボット学会学術講演会予稿集. 178-178 (1996)
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[Publications] T.Nakamura: "Behavior-based map representation for a sonor-based mobile robot by statistical methods" Proc.of IEEE/RSJ International Conference on Intelligent Robots and Systems 1996 (IROS ′96). 276-283 (1996)
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[Publications] Minoru Asada: "An agent and an environment : A view on having bodies -a case study on behabior learning for vision-based mobile robot -" Proceedings of 1996 IROS Workshop on Towards Real Autonomy. 19-24 (1996)
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[Publications] 浅田稔: "主体と環境:身体性に関する一考察-視覚移動ロボットにおける行動学習を例に-" 第2回創発システム・シンポジウム講演資料集. 48-53 (1996)