1997 Fiscal Year Annual Research Report
オートポイエ-シス理論の応用によるロボットの自律性の創製に関する研究
Project/Area Number |
08875055
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
浅田 稔 大阪大学, 工学部, 教授 (60151031)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 昭二 大阪大学, 工学部, 助手 (50273587)
細田 耕 大阪大学, 工学部, 助教授 (10252610)
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Keywords | オートポイエシス / 移動ロボット / 視覚 / ソナー / 環境表現 / タスク達成率 / 環境変動 / 変動認知 |
Research Abstract |
オートポイエ-シス・システムの基本条件として,みずからシステム内部と環境との境界を生成し,内部を位相空間として表象化することが挙げられる.そこで,本研究では視覚とソナーを有する移動ロボットを例にして,ものを避けたり(敵から逃れる),目標物に到達(餌にありつく)する行為を生成するシステムのオートポイエ-シスの概念による「環境」の定義及び位相空間の視覚化を試みることにより,ロボットという実システムにおける新たな「環境」の概念を確立し,位相空間でのシステムの挙動により「自律性」を実現することを研究目的とした. 初年度はオートポイエ-シス・システムとしての必要条件である,システムの作動による位相空間の構成についておもにシミュレーションを通して検討した.次年度は,初年度獲得した内部状態ベクトルを基に,ロボットにとっての環境の定義,環境識別の意味,タスク遂行能力の強化などについて,シミュレーションと実機での検証を通じて考察した. 1.タスクを遂行することが目的のロボットにとって,内部状態ベクトルで記述される状態遷移図そのものが,環境表現となる. 2.環境の識別は,環境表現として有意な差が認められない限り,意味がない. 3.環境表現の有意な差は,ある環境でのタスク成功率で表現される. 4.成功率の変化,一般に新たな環境での減少として内部観測されることにより,新たな環境での学習意欲が増大し,状態遷移図を更新する. 5.このとき,前環境での環境表現を現環境でどのように対応させるかに,恣意性(保守的か刹那的)が存在する.
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[Publications] T.Nakamura, S.Takamura, M.asada: "Behavior-based map representation for a sonor-Dased mobile robot by Statistical methods" Advanced Robotics. 11.5. 445-462 (1997)
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[Publications] Minoru Asada: "An agent and an environment : A view on “having bodies"-a cose study on behavior learning for vision-based mobil robot" In Proceedings of 1996 IROS Workshop on Towards Real Autonomy. 19-24 (1996)
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[Publications] 浅田: "新しいai研究目指して分担執筆 第7章「主体と環境」-身体に関する一考察-" 人工知能学会誌.
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[Publications] 浅田: "身体性による知能の発現" 人工知能学会誌. 13(1). 14-15 (1998)