1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08875083
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
山浦 逸雄 信州大学, 繊維学部, 教授 (70191202)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢嶋 征雄 信州大学, 繊維学部附属農場, 助手 (50109203)
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Keywords | 大地センサ / 樹木 / 根 / 幹電位 / 接地インピーダンス / 地震 / 4電極法 / 分極電圧 |
Research Abstract |
研究計画最終年度は前年度に引き続き、樹木の接地インピーダンス測定法の改良を行い、4電極法による測定法を導出するに至った。これにより初めて、樹木の接地インピーダンス測定が実用化の域に達したので特許出願を行った。次に、本学附属大室農場の天蚕用クヌギ林において、研究計画初年度(平成8年度)より準備した、組織と結合が十分安定している電極を用いて、幹電位の連続測定を1998年6月より開始した。幹電位変化には1日周期の変動がみられたため、その発現原因についてまず調査した。気温との相互相関関数を計算し検討した結果、24時間周期で変化する幹電位は、電極と植物組織との界面に生じる分極電圧の温度依存性が主原因であると推測された。浅間山火山活動と電位変化の比較については、電位観測期間中浅間山には特に目立った活動はなく比較に至らなかった。一方、地震については1998年8月から9月にかけて上高地地震が発生した。上田地方で震度1以上の有感地震(最高2まで)に対し、幹電位との比較を行ったが、地震発生前後においてとくに変わった電位変動は見られなかった。ただし、地震発生時には枝の揺れによるノイズと考えられる電位変動が記録されたこともあった。1999年1月23日には上田地方で本年度最大の揺れを感じた大町の地震(震度3、M4.7)においても、何らの異常電位も見出されなかった。一方、98年7月1日には長野県北部地震(震度2、M4.7)があり、上述のノイズによるものとみられる電位変化が記録された他、約20時間前に通常の電位波形の中に大きな単相性のhumped waveがみられた。しかし,1回だけの現象でこれが何に由来したかは不明であった。樹木の大地センサとしての可能性については、以上の研究を通じ根の接地インピーダンスや幹電位測定手法が本研究によって確立されたので、これらを手がかりにさらに研究を進めることが必要とされる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 山浦,田中,萩本: "「気になる木」の大地接地抵抗は何Ω?" SICE・浅間技術交流サロン、ポスター概要集. 41 (1998)
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[Publications] 山浦,田中,矢嶋: "4電極法の植物電気接地インピーダンス測定への応用" 第18回日本エム・イー学会甲信越支部大会. 7 (1998)
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[Publications] 山浦,矢嶋,田中: "大地と植物の根との電気抵抗の測定方法" 特許出願(平成10年特許出願第143253号). (1998)
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[Publications] 山浦,萩本,田中,矢嶋,福馬: "4電極法を用いた樹木の根の接地抵抗測定法" 第12回信州地区計測制御研究講演会講演論文集. 67-71 (1998)
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[Publications] 萩本,田中,矢嶋,山浦: "4電極法を用いた樹木の接地抵抗測定" 日本機械学会北陸信越支部第36期総会・講演会. 予定. (1999)
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[Publications] 山浦,萩本,田中,矢嶋,福馬: "4電極法を用いた樹木の接地インピーダンスの測定-樹木への落雷と人体の安全-" 第38回日本エム・イー学会大会予稿集. 予定. (1999)