1997 Fiscal Year Annual Research Report
暴風時の沿岸海域に生起する鉛直海浜流系と岸沖漂砂量に関する研究
Project/Area Number |
08875095
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Research Institution | Nippon Bunri University |
Principal Investigator |
櫨田 操 日本文理大学, 工学部, 教授 (70131969)
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Keywords | 風応力 / 吹送流 / 質量輸送 / 鉛直循環流 / 岸沖漂砂量 |
Research Abstract |
本研究では、2次元風洞水槽を用いて、風応力作用下で生ずる吹送流の流速を測定し、その乱流特性について検討を行った。 実験には、長さ6.2m,高さ0.46m,幅0.15mの2次元風洞水槽を用いた。水槽の両端に消波板を設置し、水深はh=20cmとした。水槽中央部の断面において、奥行き方向に7本の測線を設けて、流速の水平および鉛直成分をレーザードップラー流速計により測定した。風速の鉛直分布はベーン式風速計、波高は容量式波高計を用いて測定した。実験条件は,断面平均風速が、Um=5.85,8.50,12.2(m/s)の3条件とした。得られた結果は以下の通りである。 a)水面付近では風下方向の吹送流が形成され、底面付近ではその補償流が生じる。流向の変化する、水平方向平均流速U=0の高さは側壁に近いほど深く、流れは水槽中心を挟んで対称的3次元構造を有する。また、水槽中心では、鉛直方向平均流速w>0の上昇流、側壁付近ではw<0の下降流が形成され、断面内に一対の循環流が生じていることを示している。 b)レイノルズ応力は、水表面で最大、底面でほぼ0となるが、-h/2において極大値をとる。極大値の位置はUの勾配が極大値をとる深に対応する。一方、レイノルズ応力が極小値をとる位置は、Uの勾配がほとんどない深さ5cm付近に対応する。 c)水平方向の変動流速u'のr.m.s値√<U^<'2>>の無次元値は、概ね微小振幅波理論に一致し誘起された流速変動は風波による軌道運動によると推測される。しかし、風速が大きくなると無次元r.m.s値は微小振幅波理論よりも大きくなり、補償流により作られる乱れが卓越する。さらに風速が強くなると、水面付近の無次元r.m.s値は、波動運動により値よりも小さくなり、吹送流による乱れと波動による流速変動の相関が強い負をとることを示している。
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[Publications] 櫨田, 他3名: "新型消波ブロックの安定性に関する実験的研究" 日本文理大学紀要. 25巻・2号. 17-26 (1997)
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[Publications] 櫨田, 他4名: "新型消波根固コンクリートブロック“ダイヤブロック"の開発" 三菱重工技報. 36巻・6号. 426-429 (1997)
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[Publications] 櫨田, 他2名: "Landward Transport of Sprdy Generated from a Wave Absorbing Sea Wall" Proceedings of the 25th International Conference on Coastal Engineering Research Council/ASCE(論文発表は1996年9月。論文集刊行は1997年10月). Vol.1. 1022-1033 (1996)
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[Publications] 櫨田, 他2名: "Wind-Induced Waves and Currents in a Nearshore one" Proceedings of the 25th International Conference on Coastal Engineering Research Council/ASCE(論文発表は1996年9月。論文集刊行は1997年10月). Vol.3. 3363-3377 (1996)
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[Publications] 櫨田, 他2名: "A Fundamental Study of Water Purification Using・Wave Energy" Proceedings of the Second Japan-China Bilateral Symposium on Safety and Envivonmental Engineering. 157-162 (1997)
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[Publications] 櫨田, 他4名: "複数浮体式波力エネルギー変換装置の開発" 水工学論文集. 42巻. 817-822 (1998)