1996 Fiscal Year Annual Research Report
特殊混合培養系を用いた水素発酵法による新しい有機廃水処理技術の探索
Project/Area Number |
08875098
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
野池 達也 東北大学, 工学部, 教授 (90005398)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 修 東北大学, 工学部, 助手 (90271882)
宮原 高志 東北大学, 工学部, 講師 (70239432)
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Keywords | 水素発酵 / 動力学 / 嫌気性処理 / 酸生成 / 炭水化物 / 代謝産物 / 化学量論式 / HRT |
Research Abstract |
多糖類の水素発酵を解明するために、多糖類としてデンプン、二糖類としてスクロースおよびラクトース、単糖類としてグルコースを実験用の基質とした.独自に集積培養した特殊混合細菌群を用いた水素発酵特性に関してHRTを変化させて35°Cで連続実験を行い、水素生成収率、COD除去率および代謝産物の生成を把握し、基質による比較検討を行った.実験にはケモスタット型反応槽を用いた. (1)各種糖類排水に対して水素発酵の最適HRTはそれぞれ6.0-8.0時間の範囲にあった.HRTが12時間以上になるとメタンガスが若干検出された.この条件において、グルコース、ラクトース、ショ糖およびデンプンからの水素生成収率はそれぞれ9.33mmol-H_2/g-glucose、10.01mmol-H_2/g-lactose、9.29mmol-H_2/gsucrose、10.33mmol-H_2/g-starch であった.COD除去率は30-40%程度であり、バイオガス中の水素含有率は40%に達していた. (2)代謝産物としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸およびカプロン酸が検出されたが、酸酢および酪酸が主成分であった. (3)基質利用および増殖特性の動力学解析(最大比増殖速度0.28-0.55h^<-1>)の結果から判断して、本研究の混合培養系は、普通の酸生成細菌と十分競争することができると考えられる. 以上の結果を総合すると、本研究で集積培養した嫌気性細菌の混合培養系を用いることにより、さまざまな糖類排水から高効率水素発酵を行うことができると予想される.
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