1996 Fiscal Year Annual Research Report
身体障害者の人的交流を配慮した住環境のあり方に関する調査研究
Project/Area Number |
08875107
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
浅賀 忠義 北海道大学, 医療技術短期大学部, 助手 (60241387)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒澤 和隆 室蘭工業大学, 建設システム工学科, 助教授 (30142780)
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Keywords | 高齢障害者 / 老人保健施設 / 入退所動向 |
Research Abstract |
今年度の実施結果は、協力可能な老人保健施設の確保、調査の実施、調査結果の一部である入退所動向に関する集計に大別される。 協力可能な4ケ所の老人保健施設の内、入退所動向およびその影響要因の分析が可能な既存資料210件を抽出した。集計の結果、平均年齢は81±7歳で75歳以上の後期高齢者が8割以上をしめており、性別では女性が7割弱をしめていた。主な疾患・障害名は、多い順に脳血管障害(47.1%)、精神障害(26.7%)、整形外科疾患(14.3%)であった。入所前の居住地は、一般住宅(69.0%)と一般・老人病院(28.1%)で大半をしめしており、入所目的として在宅からの入所者は「介護力不足」(49.7%)に対して、病院からの入所者では「機能維持・向上」(67.8%)が最も多くなっており違いがみられた。退所先は、多い順に一般・ケア付き住宅(34.3%)、一般・老人病院(32.4%)、老人ホーム(24.3%)となっており、とくに病院から入所してきた群の4割以上がまた病院へ退所しているのが知れた。以上より、在宅への中間施設として位置づけられている老人保健施設ではあるが、住宅への退所者は入所者の3分の1程度で、半数以上が病院もしくは老人ホームへと移行している現状が明らかとなった。現在、退所先に影響を及ぼす影響要因について、基本属性、入所前居住地、入所期間、入所目的、入所時の退所予定先、身体・精神状態(移動能力、排泄・入浴・更衣・食事の自立度、コミュニケーション・視力障害・聴力障害の支障度、痴呆の程度)、世帯構成、家族関係等を因子として分析中である。 今後は、入所者およびその家族を対象にした老人保健施設および住宅環境に関するアンケート調査の結果を基に、入退所動向を視点とした高齢障害者の療養住環境のあり方について考察する予定である。
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