1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08875131
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
森井 賢二 大阪府立大学, 工学部, 教授 (10101198)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津田 大 大阪府立大学, 工学部, 助手 (80217322)
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Keywords | ホールバーニング効果 / ほう酸ガラス / Smイオンドープ / 価電子制御 / 非晶質薄膜 / 光学特性 |
Research Abstract |
現在、既に室温ホールバーニング現象が観測されたとの報告があったSm^<2+>イオンドープほう酸ガラスの作製を行っている。報告例では試料の作製途上でSmイオンを還元するにあたり水素などの還元性ガス中で溶融及び急冷する手法を用いていたが、本研究では還元剤として純ほう素を加え不活性雰囲気中で溶融することでSmイオンの還元に成功した。このことから加える純ほう素の量を変化させることによりSmの価電子を制御することが可能であると考えられる。Smイオンによるホールバーニング現象ではSm^<2+>イオンとSm^<3+>イオン間の光による電子の授受がその発生機構として提案されているので、今後の研究方針としてSm^<2+>イオンとSm^<3+>イオンの量比を変化させたときの吸収および発行特性、ホールの幅や深さに及ぼす影響を調べ、反応機構の解明をしていきたいと考えている。また、一般に同じアモルファスでも薄膜とバルクでは異なったアモルファス構造を有することが多く、本研究における系でも同様の転移が考えられる。従ってマトリックスに対するSmイオンの配位環境が吸収や発光などの光学的性質を左右する一つのパラメータであるという観点から薄膜化がホールバーニング現象に及ぼす影響もまた興味のあるところであり、前述の価電子制御の実験と平行して取り組んでいる。試料作製はSmイオンを還元したほう酸ガラスや結晶の酸化ほう素やほう酸塩にSmの酸化物を加えたもの等を蒸発源とし、イオンビームスパッタリング法や真空蒸発法等の物理蒸着法を用いて試みており、どの作製法が最も適しているか探索している段階である。
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