1997 Fiscal Year Annual Research Report
溶媒抽出法を利用した新規なナノスケール微粒子合成法の開発
Project/Area Number |
08875147
|
Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
近藤 和生 同志社大学, 工学部, 教授 (30038096)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 道明 同志社大学, 工学部, 助教授 (10157381)
|
Keywords | 溶媒抽出 / 微粒子 / 4級アンモニウム塩 / 金 |
Research Abstract |
1.白金族金属の溶媒抽出 4級アンモニウム塩によるパラジウムおよび白金の溶媒抽出を試みた。抽出剤として4級アンモニウム塩,すなわち3種の塩化アルキルトリメチルアンモニウム,および2種の塩化テトラ-n-アルキルアンモニウム(いずれも溶媒はクロロホルム)を用いて塩酸水溶液からの上記金属の抽出平衡の測定を行った。 2.抽出機構の解明 金属は高濃度の塩酸水溶液中に存在しているため,テトラクロロ錯体およびトリクロロ錯体を形成しているものとして,実験結果を解析した。パラジウムの抽出を例にとると,テトラクロロパラジウム錯体およびトリクロロパラジウム錯体と塩化物イオンの陰イオン交換反応により抽出が進行すると仮定して,抽出平衡式を考えた。その結果,抽出剤とパラジウムが2:1および1:1の抽出錯体を形成する機構で実験結果が良好に説明できた。各抽出剤について,2つの平衡定数を求めた。抽出平衡走数とアルキル鎖長の関係を検討した結果,構造の類似した4級アンモニウム塩では長鎖になるにしたがって,パラジウムの抽出能が向上する事が分かった。白金についても同様に解析した。 3.微粒子の調製 マイクロエマルション法およびW/Oエマルション法により金微粒子を調製した。すなわち,塩化金水溶液および界面活性剤を含むシクロヘキサン溶液から上記エマルションを調製し,これに還元剤としてヒドラジンを添加して微粒子を調製した。微粒子径に及ぼす界面活性剤添加量,エマルション調製時の撹拌速度,また調製時の温度の影響を検討した。
|