1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08875150
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
井上 泰宣 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (30016133)
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Keywords | 交互積層膜 / 銅 / アルミナ |
Research Abstract |
本研究では、外部からの指令により触媒作用を制御可能な機能を持つ触媒を開発するために、新しい原理として人工格子型構造の周期異相薄膜触媒表面に電力を印加し、触媒に活性化状態を起こさせることを行った。下地基板にSi単結晶を用い、Cu金属とAl_2O_3焼結体をそれぞれターゲットとし、ヘリコン波スパッタリング法により交互積層膜を作製した。基板の温度を室温とし、Cuの蒸着速度を0.7nmmin^<-1>、Al_2O_3の蒸着速度を0.8nmmin^<-1>に保ち、Cu膜の膜厚は5nm、またAl_2O_3の膜厚を6nmに設定し、Cu膜とAl_2O_3膜の周期交互膜の作製を行った。Cuのオージェ電子LMMおよびAlのKLLエネルギー準位の強度をそれぞれの元素の濃度とし、作製した積層膜の表面から内部をArイオンスパッタリングし、深さ方向分析を行った。上記条件において作製した交互積層膜において、設定した膜圧をもつ周期交互性が存在する結果を得た。交互膜のX線回折構造解析より、上記条件ではCuは配向成長せず、(111)、(100)(110)面から構成される多結晶蒸着膜であることが示された。マスクを通しての蒸着の場合に、100μmの口径に対して交互膜の作製が可能なことが示された。連続膜とする場合については、交互積層膜の側面の表面積を増加させるためのジグザグ形状を設計した。基板にニオブ酸リチウム単結晶を用いその表面にCuを蒸着し、Cu膜の両端に電極を取り付け高周波電力を印加した場合に、加熱したAlにC_2H_5OH蒸気ふれさせた雰囲気下で、Cu上に交互周期表面が形成されることを見出した。この新しい現象に対し、ニオブ酸リチウム単結晶表面に弾性表面波が発生し、その効果によりCuとAlの異相膜が形成される機構が考えられ、本現象を用いることにより目的とする異相交互周期膜の得られることが新たな知見として得られた。
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