1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08875150
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
井上 泰宣 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (30016133)
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Keywords | 交互積層膜 / アルミニウム / 銅 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度に見出した弾性表面液が異相交互周期膜構造に及ぼす効果についてさらに検討した。下地基板に128°回転Yカットニオブ酸リチウム強誘電体単結晶を用い、人工格子型構造の周期異相金属触媒の作成および電力印加による弾性表面波の発生とそれに基づく格子変位が人工格子膜の周期構造に及ぼす効果を調べた。新たに電子ビーム蒸着法を用い、それぞれ10nmの膜厚でAlとCu膜が互いに10層から成る交互膜を作成した。Cuのオージェ電子LMMおよびAlのKLLエネルギー準位のピーク強度の深さ方向分析から周期交互性が存在する結果を得た。また、低角度でX線回折パターンに2theta=2°〜3°に超格子に基づく回折ピークが出現し、設定した人工格子間隔をもつ周期異相薄膜が作成できることを示した。室温において1Wの電力を印加し、弾性表面波が異相界面構造に及ぼす効果を調べ、印加時間とともに弾性表面波の伝搬特性は1.8dBより0.4dBに変化すること、Cu(111)面の回折ピーク強度は変化しないのに対し、Al(111)面のピーク強度は増加し、弾性表面波伝搬によりAl膜のみが配向すること、さらに、超格子間隔も4.5%増加することを示し、下地強誘電体基板の格子変位により異相界面構造が制御できる結果が得られた。
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