1996 Fiscal Year Annual Research Report
植物における人為的制御が可能な外来遺伝子発現システムの構築
Project/Area Number |
08875155
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
吉田 和哉 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教授 (50252622)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関根 政実 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (70226653)
新名 惇彦 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (30029235)
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Keywords | プロモーター / 発現制御 / タバコ培養細胞 / 熱ショック / 障害ストレス / 発現ベクター |
Research Abstract |
人為的な遺伝子発現制御が可能な系の構築に利用するために、熱、および物理的傷害によって発現を誘導できるプロモーターを対象とした解析を進めている。今年度は、各プロモーターの発現を制御する転写因子のcDNAの単離を行った。 1)熱ショックプロモーター シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)の熱ショック(HSP18.2)プロモーターの発現活性は、タバコ培養細胞(Nicotiana tabacum,BY2)において、37℃・2時間の熱ショックによって約1000倍上昇する。この発現調節は転写レベルで行われており、その機構解明には、熱ショック転写因子(HSF)をコードするcDNAの単離が必須である。そこで、熱ショックを与えたタバコ培養細胞由来のcDNAライブラリーより、2種の候補cDNA(NtHSF1、NtHSF2)を単離した。現在、両遺伝子の発現様式、両遺伝子産物のDNA結合能および核局在性を調べている。 2)傷害誘導性プロモーター キュウリ(Cucumis sativas)のアスコルビン酸オキシダーゼ(Asol)遺伝子の転写活性は、物理的傷害によって上昇する。そこで、Asol遺伝子の5'上流域に存在する傷害信号の伝達に関わるシス領域(ATGの上流-707〜-736bp)に結合するトランス因子をコードするcDNAを2種(TFAO-I、TFAO-II)単離した。塩基配列から予想したアミノ酸配列によると、TFAO-Iはジンクフィンガーモチーフおよび酸性ドメインを有し、TFAO一IIはグルタミンリッチドメインおよびセリン・スレオニンリッチドメインを有していた。現在、両遺伝子の発現様式、両遺伝子産物のDNA結合能を調べている。
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Research Products
(1 results)