1996 Fiscal Year Annual Research Report
フェムト秒パルスレーザーを光源とする新型X線発光分析の研究
Project/Area Number |
08875160
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
今坂 藤太郎 九州大学, 工学部, 教授 (30127980)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平川 靖之 九州大学, 工学部, 助手 (80238344)
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Keywords | フェムト秒エキシマーレーザー / 高輝度プラズマ / X線発光分析 / マイクロビームプナリシス |
Research Abstract |
本年度は、フェムト秒エキシマーレーザーを光源に用いるX線発光分析装置の開発を行なうとともに、実際に発生したX線を検出するなど本研究の予備的検討を行った。 まず、ターゲットのアルミニウムロッド及び平板を回転できるステージやX線検出器を設置できる真空チャンバーを作製した。さらに第二のチャンバーに分光結晶及びX線イメージセンサーを設置できるようにした。 X線発生の効率を向上させるため、プリパルスを使う方法について検討した。その結果、数100ps程度のプリパルスを利用することにより、X線の発生効率を向上できることを確認した。一方、チャンバー中の真空度がX線検出に及ぼす影響について検討し、拡散ポンプ程度の排気装置を利用すれば、空気による軟X線の吸収は無視できることが分かった。ただし、真空度を上げると金属ターゲットからのスパッタリングが多くなるので、今後ヘリウムなどのX線を吸収しないガスを外部から導入する方法を採用する必要があると考えている。なお、ガイガ-カウンターを用いて、漏洩するX線量を測定したが、自然界の放射線量と比較して有意に大きな値は得られないことを確認した。 発生するX線の波長を推定するため、Foil Transmission Techniqueを利用する方法を検討した。その結果、平均X線波長として2-4nmの値が得られた。またそのときの集光レンズの焦点距離の影響についても調べた。現在のところ、発生するX線のスペクトルを測定するには至っていないが、今後分光結晶を用いる方法について検討を進めたいと考えている。 現在まで分析化学的な応用研究は全く見られないものの、応用物理の分野におけるX線発生の研究はかなり進んでいる。
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