1996 Fiscal Year Annual Research Report
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08875184
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
青井 啓悟 名古屋大学, 農学部, 助教授 (30222467)
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Keywords | デンドリマ- / リビング重合 / ブロック共重合体 / ポリオキサゾリン / 環状イミノエーテル / 開環重合 / ポリ(アミドアミン) / 分子集合体 |
Research Abstract |
ツインデンドリマ-型(二連球型)高分子のプロトタイプとして、疎水性球状頭部と親水性線状尾部とからなる新規ブロック型高分子の合成を行い、その自己組織化形態を明らかにした。この球状/線状ブロック型高分子は、従来の高分子の形態と比較すると新しい範疇に属する。リビング重合法とデンドリマ-段階合成法とを組み合わせた精密構築法により合成した。まず、2-メチル-2-オキサゾリンのリビング重合([M]_O/[I]_O=25)を行ない、成長末端を過剰のエチレンジアミンで停止し、イオン交換することによりω-エチレンジアミン置換ポリ(2-メチル-2-オキサゾリン)1を調製した(DP=26,M_W/M_n=1.1_2)。次に1のω-アミノ基を開始核として、アクリル酸メチルとのマイケル付加とエチレンジアミンによるアミド形成反応とを繰返し、ポリ(アミド-アミン)デンドリマ-部分を合成し、新規重合体ポリ(2-メチル-2-オキサゾリン)-block-ポリ(アミド-アミン)デンドリマ-2を得た。ポリ(アミド-アミン)デンドリマ-部分は第3.5から第5.5世代までのメチルエステル末端型とアミン末端型を合成した。 メチルエステル末端型の重合体2は親水性のポリ(2-メチル-2-オキサゾリン)鎖と疎水性のポリ(アミド-アミン)デンドリマ-とからなる両親媒性分子である。滴重法によって2の水溶液の張力測定を行ったところ、臨界ミセル濃度(CMC)が認められ、2が集合体を形成する能力を持っていることがわかった。5.5世代のデンドリマ-を有する2が3.5世代の2よりも低いCMCを示した。さらに、2の重水中での集合体の形態を小角中性子散乱法により解明した。5.5世代のデンドリマ-を持つ2についてCMC以上の3.0wt%における中性子散乱実験を行った。その結果、直径54nmの球状組織体を形成していることが判明した。このことは、構造が精密に規制された両親媒性球状高分子誘導体が規制的な組織体を形成する可能性を示している。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] K.Aoi: "Sequence Control on the Ring-Opening Oligomerization of Cyclic Imino Ethers" Macromolecular Rapid Communication. 18・1. 17-21 (1997)
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[Publications] K.Aoi: "Polymerization of Oxazolines" Progress in Polymer Science. 21・1. 151-208 (1996)
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[Publications] M.Miyamoto: "Ring-Opening Polymerization of Six-and Seven-Membered Cyclic Pseudoureas" Journal of Polymer Science,Polymer Chemistry Ed. 35. 印刷中 (1997)
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[Publications] 岡田鉦彦: "球状糖鎖高分子シュガ-ボール" 化学と工業. 49・9. 1259-1261 (1996)
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[Publications] K.Aoi: "Cyclic Imino Ethers" Polymeric Materials Encyclopedia,CRC Press,FL,U.S.A., 9218 (1996)