1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08875193
|
Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
辻田 義治 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (70016591)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉水 広明 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (10240350)
木下 隆利 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (60135407)
|
Keywords | 超臨界CO_2流体 / 収着 / 拡散 / 透過 / ポリジメチルシロキサン / OCM / 可塑化効果 |
Research Abstract |
超臨界流体は比容積を大幅に連続的に変化させることができ、分子間相互作用を高度に制御し得る有効な系である。本研究では、超臨界流体(CO_2)-高分子系の相互作用の特徴を検討するためにゴム状高分子であるポリジメチルシロキサン(PDMS)膜について、比較的高圧までCO_2の収着・透過実験を行った。各測定は、水晶発振子を利用した気体収着測定装置(QCM収着測定装置)並びに高圧まで測定可能な透過測定装置を用いて行った。種々の温度におけるPDMS膜へのCO_2の収着量測定を行った結果、バルクのCO_2が気体から超臨界状態へ変化すると、PDMS膜への溶解性や膜中におけるCO_2の存在状態にも変化が生じることが示唆された。一方、種々の温度におけるPDMS膜へのCO_2の透過係数は臨界圧力または液化圧力付近を境に増加から減少に変化した。透過係数の増加は主にCO_2の可塑化効果に起因し、高圧域における減少の原因としては溶解性の低下が挙げられる。これは気体、液体及び超臨界それぞれの状態におけるCO_2の分子間相互作用の相違がPDMS膜への溶解性を変化させるために生じる現象と考察され、収着実験結果と矛盾しない。更に、膜中のCO_2の拡散挙動を検討したところ、CO_2が超臨界状態になると増加した。一般に高分子に収着したCO_2は液体状態であるといわれている。しかし本研究で得られた結果から、臨界温度・圧力以上になると高分子中のCO_2が液体状態より粘性が小さい状態に変化し、即ちCO_2同士の相互作用がより小さくなるため結果として拡散性が増すと考えられた。
|
Research Products
(1 results)