1996 Fiscal Year Annual Research Report
イネのアントシアニン発現系をモデルとした遺伝子の組織特異的発現制御の解明
Project/Area Number |
08876002
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
前川 雅彦 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助教授 (00142703)
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Keywords | イネ / アントシアニン / 組織特異的発現制御 |
Research Abstract |
植物体のアントシアニン着色は,その組織特異性から組織特異性をもたらす機構のモデルとしてトウモロコシやキンギョソウで詳細に調べられ,その分子機構も明らかにされている.一方,イネでは連鎖分析の初期に明らかになったのが,Pl-lg関係であるように紫イネは古くから知られ,さらに,Pl座には3種の対立遺伝子が分化していることも明らかにされている.しかしながら,イネのアントシアニン着色に関する分子的解析は遅れていて,最近その情報が得られつつある.著者は育成したPl座の3種の対立遺伝子に関する準同質遺伝子型系統を用いて,組織特異性をもたらす分子機構を明らかにするために,まずトウモロコシのB-PeruをプローブにしてPl^W型イネから単離したcDNA,XT1(Raとの相同性が高い)のマッピングを行い,XT1がPl^W遺伝子に相当するか否かを調べた.T-65と準同質遺伝子型系統のゲノミックDNAについてXT1cDNAをプローブにしたサザン分析を行ったところ,明瞭な6本のバンドが得られた.このことはT-65にはmyc様相同配列が少なくとも6個あることを示唆していた.得られた6本のうち5本のバンド(a〜e)で多型が認められた.すなわち,Pl^Wは反復親のT-65とバンドパターンが似ていて,低分子量のバンドのみで差異が認められた.一方,PlとPl^Iはそのバンドパターンが似ていて,Pl^Wとはかなり異なっていた.つぎに,Pl^WとT-65のF2でのバンドパターンとPl^W形質との関係を調べた.その結果,Pl^Wホモの個体はバンドeを必ず有していた.また,バンドdを同時に有する場合もあった.一方,+ホモの個体はすべてバンドdを有していた.この結果から,得られたcDNA,XT1はバンドeに相当するものと推定された.また,バンドdについてはバンドeと連鎖している可能性が考えられた.
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Research Products
(1 results)