1996 Fiscal Year Annual Research Report
メチレンブルー土壌法による根の活力と根系分布の同時・非破壊診断の試み
Project/Area Number |
08876004
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
萩原 素之 信州大学, 農学部, 助教授 (90172840)
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Keywords | 水稲 / 根系 / 画像解析 / 根の活力 / 酸化力 / 呼吸速度 |
Research Abstract |
本年度は、水稲の根系による根の周囲の土壌酸化域の形状や大きさから、根の活力と根系分布を画像解析的手法で評価する手法の可能性を検討するための第1段階として、以下のことを目標として研究を実施した。 通常の土壌・施肥・水管理条件という最も一般的な栽培管理条件下での根系とその生理機能の生育に伴う変化の概要の把握を試みる。具体的には、1.所期の目的に適する観察用兼根系採取用根箱の試作、2.上記根箱を使用して、生育に伴う土壌酸化域の形状の変化をデジタルカメラ撮影により追跡調査し、画像処理により土壌中での根の活力の推移を数値化して掌握する、3.採取した根系の呼吸速度と画像解析データとの相関の解析を計画した。1.については根系採取を容易にすること、および透水条件の再現が課題として残った。2.については黒ボク土壌では土壌酸化域の判定が難しいが、淡色の土壌(鹿沼土など)の混合により改善可能であった。しかし、画像解析のみによる根の活力の把握には問題が残った。3.については、数種の酸化還元指示薬の混合により、根系の土壌酸化力の評価精度を高める工夫も必要と考えられた。また、根系を乱さずに容易に採取できるように根箱を改良することで根系の活力評価がより詳細にできると期待された。 本年度は基本的には試運転程度の成果に留まったが、以上の結果を総合的に判断し、次年度以降は、生育に伴う根系活力の推移が土壌条件にどのように影響されるかを中心に明らかにしていく予定である。
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