1996 Fiscal Year Annual Research Report
エンドファイトが植物に与える影響の分子レベルからの解明
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08876012
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小柳津 広志 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (70177301)
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Keywords | エンドファイト / 菌類 / 共生 / 植物 / イネ科植物 |
Research Abstract |
今年度は、エンドファイト感染植物において発現される遺伝子を解明するため、ペレニアルライグラスを材料として、エンドファイト感染植物と非感染植物のmRNAを調整し、デファレンシャルディスプレイ法により感染植物においてのみ発現されている遺伝子の分離を試みた。また、ペレニアルライグラスを材料とし、感染防御に係わるとされる既知遺伝子であるフェニルアラニンアンモニアリアーゼ(PAL)およびキチナーゼ(CHI)遺伝子を感染植物のcDNAライブラリーからイネの相同遺伝子との相同性に基づいて分離することも試みた。結果、ペレニアルライグラスでは、植物で用いられるさまざまな精製法で調整したRNAでは、逆転写の反応が行えなかった。この原因は、混在する多糖類にあると考え、設定の条件下の超遠心分離で沈殿させることにより精製することに成功した。クローン化の容易な感染防御に関連した既知遺伝子のクローン化では、対象としたPALおよびCHIをコードする遺伝子は、まずイネからPCRで分離して、配列を確認してプローブとして使用した。次に、前述で調整したmRNA用いて、cDNAを調整し、これをプラスミドベクターpSPORT1にクローン化してpalプローブにハイブリダイズする1クローンとchiプローブにハイブリダイズする2クローンを得た。配列解読の結果、これらは約2300塩基を含むpal相同配列および1100塩基と1300塩基を含むchi相同配列であることが分かった。
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