1997 Fiscal Year Annual Research Report
エンドファイトが植物に与える影響の分子レベルからの解明
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08876012
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小柳津 広志 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (70177301)
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Keywords | エンドファイト / 共生 / 植物 / 菌類 / 耐病性 |
Research Abstract |
本研究はエンドファイトと植物の共生に関して,その共生宿主とエンドファイトの親和性発現に関与する遺伝子を植物側および菌側の両面から遺伝子レベルで解明することを目的としている。この解明により、エンドファイトおよび宿主植物の遺伝的改良が可能となり、対病虫性を有する有用菌類であるエンドファイトをさまざまな植物で利用可能とする途が開かれると期待される。今回対象として用いてペレニアルライグラスはmRNAの精製が大変困難な植物であった。そこで、昨年度はmRNAの調整法を確立した。mRNA調整の基本は混在する多糖類の除去にあり、1g/1のCsC1を下層に、0.5g/1のCsC1を上層に重層した超遠心分離(約50000g)で沈殿させることにより調整が可能となった。この方法により、昨年度、植物の防御系の遺伝子であるpalおよびchi遺伝子をクローン化した。今年度は、これと同じ方法で再度感染植物と非感染植物より調整し、これを用いてデファレンシャルディスプレイを行った。方法は、^<35>Sを用いてラベルを行い、GenHunter社(Brooklin,USA)キット1とキット2を用いて行った。それぞれのキットには、8種の13塩基からなるランダムプライマーと3‘末端がA,G,C,Tの16塩基からなるオリゴdTが含まれ、これらの組み合わせ64通りでPCR反応を行い、6%ポリアクリルアミドゲル電気泳動により、感染植物と非感染植物で異なるDNAが出現するか探した。この結果、ほとんどの反応において感染植物と非感染植物に違いが見られず、デファレンスを見いだすことができなかった。また、palとchiのノーザン解析では、感染植物と非感染植物にほとんど差が見られなかった。
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