1996 Fiscal Year Annual Research Report
電荷重畳網膜を用いた立体認識アルゴリズムに基づく計算力学的知能情報処理概念の構築
Project/Area Number |
08876047
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
村瀬 治比古 大阪府立大学, 農学部, 助教授 (20137243)
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Keywords | 画像認識 / 画像計測 / 網膜 / 代用電荷法 / ポアソン方程式 / データ圧縮 / ノンジオメトリック特徴量 |
Research Abstract |
電荷重畳法の特徴は3次元領域の扱いが極めて容易であることから,眼球の網膜部分の形状を模倣して受光部を半球面であると想定する.全体は,立体をその半球面で覆い散乱光や反射光も全て3次元空間の複雑な光挙動として球面で受光するという状況を考える.受光面上には光受容体が密に存在し,それぞれが光刺激を受けて興奮する.その興奮レベルは光刺激によって異なる.その各受容体の興奮は神経に伝えられ次の系へ送られる.その間にある種の信号変換がなされるものとする.この系は電荷重畳モデルを用いることによって比較的容易に処理系が構築できる.個々の受容体を境界点とみなし,出力は半球面で覆われた空間の適当な場所にある仮想内点の例えばポテンシャルレベルとして取り出すことができる.このように受容体への刺激と仮想内点の興奮度を対応付ける電荷重畳法をカーネルとするソフトウヱ アを平成8年度において開発した.重要な点は,電荷重畳モデル(以下において電荷重畳網膜と称す)非線形性と不安定性を司る仮想電荷点配置と系の感度特性の関係を効果的に利用することである.ソフトウヱ ア開発と平行して実験システムを構築する必要があり,今回の実験システムでは,半球面上に49個のフォトセンサーを配し,球面上に投影された影をその球面上でそのデーターを一挙に電荷重畳網膜で信号変換してノンパラメトリックな特徴量を取り出す実験システムを作成した.電荷重畳網膜の特性は仮想電荷点配置に大きく左右されるので,製作したハードウヱ アに最も適した電荷点配置を選ぶことがチューニングである.また,ノンジオメトリックな特徴量は仮想内点の出力で,被写体の変化に最も敏感に反応する出力点を選ぶこともチューニングの一つである.今回は,実験装置を用いてこのチューニングの方法を確立する実験を数多く重ねて,最適化のプロセスを見いだすことができた.
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Research Products
(1 results)