1997 Fiscal Year Annual Research Report
マウス神経胚に発現するSOX遺伝子群のcDNAクローニングと機能解析
Project/Area Number |
08877004
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
平岡 芳樹 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (80218768)
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Keywords | SRY遺伝子 / Sox遺伝子 / 神経胚 / cDNAクローニング / 発生 |
Research Abstract |
本年度は、マウスの胎生8.5日目の胚に由来するcDNAライブラリーから得られたSoxcDNAクローンの内、mSox13についてその全塩基配列を決定した。この遺伝子のコードする蛋白質は595アミノ酸から成り、SOX蛋白質の特徴であるHMGboxがC末端側に存在する。更にそのアミノ酸配列を詳しく調べたところ、N末端側には、ロイシン・ジッパーと呼ばれるモチーフが存在する事が解った。現在、SOX蛋白質はHMGbox配列の類似度を指標にして、A〜Gの7つのサブタイプに分類されているが、mSox13はサブタイプDに属する。同じサブタイプDに属するものとしては、xSox12,mSox6などが知られている。これらの蛋白質と、mSox13を比較すると、それぞれHMGbox、ロイシン・ジッパー共に、アミノ酸配列の保存度は非常に高かった。また、この二つのモチーフ以外に、共通のモチーフがないか調べた。ロイシン・ジッパーのC末側に隣接して、高い類似性を示す部位があり、この部分はグルタミンの含量が極めて高い。そこでこの領域をQboxと名付けた。ロイシン・ジッパーは蛋白質-蛋白質の相互作用に関与していると言われ、またこのQbox部分がロイシン・ジッパーが極近傍に位置する事から、これらの領域が一体となって、他の何らかの因子と結合する可能性はあると思われる。次に、mSox13cDNAを用いて、プローブを作製し、Northern分析を行った。その結果、腎臓と卵巣にこの遺伝子が発現していることが明らかになった。mSox13がこれらの臓器の発生にどの様に関与しているのかは、解っていない。更に、mSox13のHMGbox部分のリコンビナント蛋白質を調整し、DNAに対する結合能を調べた。その結果、一般にSOX蛋白質の標的配列と考えられているAACAAT配列に強く結合しうる事が解った。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Yukinao Sakai: "Isolation and characterzation of xenopuo Laevis xSox-Bl cDNA" Archives of Biochemistry and Biophysics. 346・1. 1-6 (1997)
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[Publications] Yoshiki Hiraoka: "XLS13A and XLS13B : SRY-related genes of Xenopus Laevis" GENE. 197. 65-71 (1997)
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[Publications] Motoyuki Ogawa: "Cloning and expression of a human/mouse Polycomb group gene,ENX-2/Enx-2" Biochimica et Biophysica Acta. 1395. 151-158 (1998)