1996 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトアポ蛋白(a)過剰発現トランスジェニックウサギ作製とその動脈硬化研究への応用
Project/Area Number |
08877036
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
范 江霖 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (60272192)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲垣 治 山之内製薬筑波研究所第2創薬研究所, 主任研究員
下釜 達朗 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (50170999)
八神 健一 筑波大学, 基礎医学系, 助教授 (40166476)
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Keywords | トランスジェニック / 動脈硬化 / 高脂血症 / 動物モデル / 脂質代謝 / アポ蛋白 / アポ蛋白a / リポ蛋白 |
Research Abstract |
平成8年度にヒトアポ蛋白(a)トランスジェニックウサギfounder lineの作製を行った。まず,Stanford大学Dr.Lawnから提供されたヒトアポ蛋白(a)cDNAを肝臓で発現するmouse transferrinにligateし,トランスジェニックベクター(pTfHa17)をcloningした。ホルモン注射によって100匹のドナーウサギから1981個の受精卵を採集し,それにpTfHa17をマイクロインジェクションした。マイクロインジェクションした1142個の受精卵を41羽の偽妊娠(仮親)ウサギの卵管内に移植した。全部で43羽の子ウサギが生まれた。耳介生検を行い、その組織からDNAを調製してサザーンブロット法並びにPCR法によって導入遺伝子を同定した。 仮親の出産率は50%で平均1羽の仮親に当たり5羽の子ウサギが生まれた。そのうち,ヒトアポ蛋白(a)遺伝子が組み込まれているトランスジェニックウサギは4羽で全体の陽性率は10%であった。導入遺伝子のコピー数はそれぞれ1,20,〜50,〜100であった。現在4羽のトランスジェニックウサギのうち,2羽が生存している。アポ蛋白(a)の発現についてはトランスジェニックウサギの血漿リポ蛋白を分離しSDS-PAGE並びにAgarose gelで分析し更にimmunoblotを行った。トランスジェニックウサギのヒトアポ蛋白(a)の分子量はヒトと同じ60kdで,血清のヒトアポ蛋白(a)の濃度は約〜0.5mg/dlであった。 現在までにヒトアポ蛋白(a)の過剰発現するトランスジェニックウサギの作成に成功した。血清のヒトアポ蛋白(a)の濃度が低いため更に高発現founderの作成が必要である。現在,これらのトランスジェニックウサギのヒトアポ蛋白(a)発現様式について検討すると共に新しいfounderの作成も行っている。
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