1997 Fiscal Year Annual Research Report
マクロファージの細胞内殺菌作用に関わるNF-IL6標的遺伝子の同定
Project/Area Number |
08877061
|
Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
審良 静男 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (50192919)
|
Keywords | NF-IL6 / マクロファージ / ノックアウトマウス / M1細胞 / サブトラクション / MIP-1a / CD14 / オステオポンチン |
Research Abstract |
NF-IL6ノックアウトマウスは、少量のリステリア菌の腹腔内感染により死亡し、細胞内寄生細菌の感染に対して極めて弱い。このマウスのマクロファージは、取り込まれたリステリア菌を殺菌できず、細胞質内にリステリア菌がエスケープし分裂、増殖していた。マクロファージによる殺菌機構に重要なNO産生に異常はみられずNO非依存性の殺菌作用の存在があきらかとなった。マクロファージにおける殺菌機構にかかわるNF-IL6のターゲット遺伝子を同定するため、IPTG添加によりNF-IL6を発現誘導できる安定形質導入株をマウス骨髄性白血病細胞株M1において樹立し、NF-IL6誘導前後のmRNA間でサブトラクションをおこなった。Suppressive Subtractive Hybridization法を用いてサブトラクションライブラリーを作製し、1500クローンをスクリーニングした。その結果、既知の標的遺伝子であるhaptoglobin以外にMIP-1a,Osteopontin,CD14のmRNAがNF-IL6誘導後顕著に増大することが判明した。このうち、MIP-1aに関しては、転写開始点から175bp上流のプロモーター内にNF-IL6の結合配列が3ヵ所存在することおよびluciferase assayの結果から標的遺伝子であることが証明された。今後さらにスクリーニングをくりかえすことによりマクロファージにおける殺菌機構にかかわるNF-IL6のターゲット遺伝子を同定するつもりである。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] Takeda, K.: "Targeted disruption of the mouse Stat3 gene leads to early embryonic lethality." Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 94. 3801-3804 (1997)
-
[Publications] Akira, S.: "NF-IL6 and NF-κB in cytokine gene regulation." Advances in Immunology. 65. 1-46 (1997)
-
[Publications] Tanaka, T.: "Defective adipocyte differentiation in mice lacking C/EBPβ and C/EBPδ." EMBO J.16. 7432-7443 (1997)
-
[Publications] Akira, S.: "IL-6-regulated transcription factors." Int. J. Biochem. Cell. Biol.(in press). (1997)
-
[Publications] Kawai, T.: "ZIP-kinase, a novel serin/threonine kinase which mediates apoptosis." Mol. Cell. Biol.(in press). (1998)