1996 Fiscal Year Annual Research Report
本能性高血圧の遺伝要因とナトリウム摂取に関する疫学・分子生物学的研究
Project/Area Number |
08877068
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
嶋本 喬 筑波大学, 社会医学系, 教授 (50143178)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 勝二 筑波大学, 社会医学系, 助教授 (60086618)
谷川 武 筑波大学, 社会医学系, 講師 (80227214)
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Keywords | アンギオテンシノーゲン遺伝子 / ハプロタイプ / 高血圧 / PCR法 / DNA多型 / 24時間蓄尿 |
Research Abstract |
アンジオテンシノーゲンの遺伝子は、その転写開始部位より174番目及び235番目のアミノ酸がThreonine(T)あるいはMethionine(M)であるかにより一つの対立遺伝子上にT-T,T-M,M-T,M-Mの組み合わせが存在することから、二つの対立遺伝子としては10通りのハプロタイプが存在する。本年度は、秋田県I町(人工0.7万人)と茨城県K町(人工1.7万人)の1994年と1995年の循環器検診の受信者30歳以上男女のうち、過去の住民検診で続けて3回以上、最大血圧値が160mmHg以上、または最小血圧値が95mmHg以上の者(降圧剤服用の有無は問わない)を高血圧者とし、過去から現在にかけてこの検診成績で常に最大血圧値が130mmHg未満かつ最小血圧値が85mmHg未満の者を非高血圧者として、高血圧者186人と性、年齢をマッチした非高血圧者186人について末梢血白血球から抽出したDNAを用いてPCR法にて上記の10通りのアンジオテンシノーゲンのDNA多型を解析した。その結果、高血圧との関連が予想されたハプロタイプM-T/M-T及びM-T/T-Tの割合が高血圧者で22%と正常血圧者での14%に比し高い傾向を示した。平成9年度は、対象者数を増やすとともに遺伝子解析の結果を統計的に検討する予定である。 また、現在の食塩摂取量把握の精度を上げるため、両町の対象者173人について栄養調査による食塩摂取量の把握と24時間蓄尿による食塩排泄量の調査を平成8年9月に実施した。平成9年度に高血圧とアンジオテンシノーゲンの遺伝子多型との関連を分析する際に、今回のデータを用いて対象者をナトリウム多量摂取群と非多量摂取群の2群に分け、遺伝要因と環境要因の相互作用(interaction)を検討する予定である。
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