1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08877070
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
宮前 珠子 広島大学, 医学部, 教授 (10239436)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 佳恵 広島大学, 医学部, 助手 (00263707)
村井 真由美 広島大学, 医学部, 助手 (00284191)
ジョンソン ノーマ 広島大学, 医学部, 講師 (00274051)
水流 聡子 広島大学, 医学部, 助教授 (80177328)
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Keywords | 役割 / 高齢者 / 評価 / チェック・リスト |
Research Abstract |
目的と今年度の研究経過: 高齢者が持つ、あるいは、持ち得る「役割」を評価する方法を開発することを目的に、今年度は内外の関連文献の検索、収集、及び分析を主として行った。検索の結果、関連書籍13冊、和文献25編、洋文献21編、計59件の資料を得た。これらの資料の内容把握と分析の作業を研究者で分担した。即ち、全文献の抄録及びコメントを、それぞれA4用紙、1〜2枚にまとめた文献カードを作製し、更に、個々の文献が、今回の研究にどの程度の重要性を持つかを、4段階に評価した。次に、これらの文献の、役割に関する内容を構造的にまとめ理解するため、それぞれの文献から重要な要素を、1要素1ラベルに抜き書きし、403枚のラベルを作った。これらのラベルをKJ法を用いてまとめ、10枚の展開図を作成した。現在は、これを文章化する過程にあり、文章化が終了した段階で学術雑誌に投稿する予定である。一方、ここまでの作業の成果をもとに、健常高齢者が実際に果たしている、あるいは希望している役割を調査するため、現在、調査用紙の作成作業を行っており、今後1〜2ケ月以内に、調査を実施する予定である。 今年度の成果-文献上の「役割」のまとめと理解-: 文献の内容はおおよそ次の6つのカテゴリーに分けられるものであり、役割の鳥瞰図を得た。(1)役割は年齢と共に発達し、移行し、そして喪失される。(2)高齢者は、退職などの社会的要因、また、社会が高齢者に対して持つマイナスイメージによって役割を喪失する。(3)人は、年齢と状況に見合った、バランスのとれた生活役割によって、生活構造を維持し、健康を保つ。(4)人は、コミットできる役割を持つことが必要であり、これからは、「役割獲得」即ち、役割をいかに取るかの教育が必要である。(5)「役割」概念の発達史(作業療法領域における役割研究の歴史を含む)。(6)役割りの分類と決定要因。
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