1997 Fiscal Year Annual Research Report
ABO式血液型遺伝子上流域に存在する反復配列に関する多型性の検討
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08877079
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
島田 一郎 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (20272908)
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Keywords | ABO式血液型 / DNA多型 / PCR / ミニサテライトDNA |
Research Abstract |
ABO式血液型は、1901年にLandsteinerによって発見された。1924年にはBernsteinによって3対立遺伝子説が提唱され、A遺伝子とB遺伝子は劣性であるO遺伝子に対して共に優性であり、その結果、4つの表現型(A、B、AB、O)と6つの遺伝子型(AA、AO、BB、BO、AB、OO)に分類された。ABO式血液型特異性を決定しているのは糖鎖であり、A型特異性はα-N-アセチル-D-ガラクトサミン、B-型特異性はα-D-ガラクトース、O(H)型特異性はα-L-フコースでそれぞれ決定されている。その後、1990年にYamamotoらによってABO式血液型遺伝子のcDNAが解析され、さらには、genomic DNAについても解析された。 今回、ABO式血液型遺伝子の転写開始点の5′上流域に43bpの反復配列があることに気付いたので、この反復配列に関して多型性が存在するか否かを検討した。 これまでの研究で、この反復配列を含む部分のDNAをPCR法で増幅するための適切なprimerの選択、PCR法の設定条件、及びPCR産物の電気泳動条件等について検討を加え、多型性を検定するための方法を確立し、その方法で約100人から得たサンプルについて検査した。また、家族例についても検査した。 これまでの研究では、反復配列は4回、3回、及び1回の3種類が認められた。反復配列が4回及び3回のものはB遺伝子及びO遺伝子とlinkageし、反復配列が1回のものはA遺伝子とlinkageしていた。家族例について検査では、メンデルの法則に従って遺伝していた。現在、論文発表の準備中である。
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