1996 Fiscal Year Annual Research Report
ヘリコバクタ陽性胃MALTリンパ腫が産生する免疫グロブリン遺伝子のクローニング
Project/Area Number |
08877089
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
千葉 勉 京都大学, 医学研究科, 教授 (30188487)
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Keywords | 胃MALTリンパ腫 / ヘリコバクタ・ピロリ / 自己抗体 / 免疫グロブリン |
Research Abstract |
近年胃MALTリンパ腫の発症にはヘリコバクタ・ピロリ感染が関与している事実が明らかとなりつつある。そしてこのMALToma細胞はヘリコバクタ・ピロリや自己抗原に対する反応性のB細胞である可能性が指摘されている。そこで今回は胃MALToma細胞の産生する免疫グロブリンをクローニングし、それに対する抗原を明らかにすることを目的とした。 ヘリコバクタ・ピロリ陽性の胃MALTリンパ腫組織(5症例)のRNAから、免疫グロブリンH鎖VHおよびL鎖Vk、VλをプライマーとしてcDNAを得た。これをpCANTA β 5 Phagemidベクターに組みこみE・Coli表面にH鎖、L鎖を発現させた。これらにH・plylori菌やMALToma組織から抽出した蛋白質を反応させた。その結果ヘリコバクタ・ピロリに反応するクローンを5個、また組織抽出物に反応するクローニングを3個得ることができた。 これらのクローンを現在解析中であるが地中海リンパ腫と異なり、本免疫グロブリン遺伝子に現在異常は見出されていない。また、その一つは、ヘリコバクタ・ピロリのCagA蛋白と反応することが明らかとなった。一方組織抽出物と反応する抗体の解析においては、その反応物は、胃組織に浸潤するリンパ球である可能性が高いことが分かった。したがって本免疫グロブリンはヘリコバクタ・ピロリに対する抗体である可能性が考えられる。
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[Publications] Okada,A.,et al.: "Erythropoietin stimulates proliferation of rat cultured gastric mucosal cells" Digestion. 57. 328-332 (1996)
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[Publications] Hassan,S.,et al.: "Presence of prostaglandin EP4 receptor gene expression in a rat gastric mucosal cell line." Digestion. 57. 196-200 (1996)
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[Publications] Nakata,H.,et al.: "Involvement of β adrenergic receptor kinase 1 in homologous desensitization of histamine H2 receptors in human gastric" Digestion. 57. 406-410 (1996)
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[Publications] Kinoshita,Y.,et al.: "Production and activation of hepatocyte growth factor during the healing of rat gastric ulcer." Digestion. 58(in press). (1997)
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[Publications] Asahara,M.,et al.: "Reg gene expression is increased in rat gastric enterochromaffin-like cells following water immersion stress." Gastroenterology. 111. 45-55 (1996)
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[Publications] Kinoshita,Y.et al.: "Distribution of prostaglandin E receptors in the rat gastrointestinal tract." Prostaglandins. (in press).