1996 Fiscal Year Annual Research Report
MRSによる慢性呼吸器疾患患者における運動負荷中の筋肉代謝解析法開発に関する研究
Project/Area Number |
08877097
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
池平 博夫 千葉大学, 医学部, 講師 (50150313)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 嘉一郎 千葉大学, 医学部, 研究生
増山 茂 千葉大学, 医学部, 助手 (00219354)
木村 弘 千葉大学, 医学部, 助教授 (20195374)
栗山 喬之 千葉大学, 医学部, 教授 (20009723)
北原 宏 千葉大学, 医学部, 教授 (30114268)
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Keywords | MRS / 高エネルギーリン酸代謝 / 慢性閉塞性肺疾患 |
Research Abstract |
MRSによる人の骨格筋における高エネルギーリン酸代謝の測定は、悲観血的手技で運動中にもリアルタイムの値を得ることができることが特徴である。慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者における運動負荷中の筋肉内の代謝の変化を解明するため、平成8年度下記の項目を実施し、成果を得た。 1.実験装置および方法の開発 アクリルおよび木材からなる運動負荷装置を開発し、電磁波との影響が少なくかつ、十分な負荷を加えることが可能になった。最大筋力値およびMRIによる筋断面積の値を用い運動負荷量を標準化する方法を考案し、COPD患者のほぼ全例において一定時間の運動負荷を行うことに成功した。 2.慢性閉塞性肺疾患患者および健常人での骨格筋リン酸代謝の検討 上記の運動負荷装置を用いCOPD患者の下腿腓腹筋群の運動負荷中の高エネルギーリン酸代謝を測定した。COPD患者では健常人と比較しクレアチンリン酸の消費が早く無機リン対クレアチンリン酸比が増大した。筋でのATPの産生の減少が間接的に示唆され、またCOPDの重症度、特に一秒率と相関する傾向が見られた。 3.健常人での室内気および低酸素吸入下での骨格筋リン酸代謝の検討 健常人でも低酸素の投与によりCOPD患者と同様、運動中のクレアチンリン酸の減少が大きくATP産生の減少を来すことが観察された。また低酸素状態では筋肉内のpHは著明に低下した。ミトコンドリアでの酸化的リン酸化が減少し、解糖系の割合が上昇し乳酸が蓄積した結果と思われた。
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