筋緊張性ジストロフィーにおける糖タンパク質糖鎖異常の治療に関する基礎的研究

1996 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 08877103
• Research Institution: 福井医科大学
• Principal Investigator: 伊藤 慶太 福井医科大学, 医学部, 助手 (40273007)
• Keywords: 筋緊張性ジストロフィー / 糖蛋白糖鎖異常 / sWGA / myotonin kinase / CTG repeat / galactosy transferase

Research Abstract

今年度は、筋緊張性ジストロフィー患者における糖蛋白糖鎖異常と遺伝子異常の程度との相関を調べる目的で、生検筋組織を用いて検討を行った。
N-acetylglucosamine認識lectinであるsWGAを用いて、生検筋のlectin染色の程度と筋組織より抽出したDNAを用いてmyotonin kinaseのCTG repeatとの相関、および生検筋組織におけるgalactosyl transferase活性とCTG repeatとの相関について研究した。galactosyl transferaseの活性は、2-aminopyridil化したオリゴ糖を基質として用いて、UDP-galactoseとともに生検筋homogenateを至適条件で反応させ、液体クロマトグラフィー上で反応させた。結果は、患者筋組織においては、lectin染色上において、hypogalactosylationがCTG repeatと有意に相関しているがgalactosyl transferaseの活性とは相関しないことを発見した。また、筋緊張性ジストロフィー患者筋などで発現しているFas抗原について検討し、Fas抗原の発現そのものは疾患特異性が認められず、多くの筋疾患で発現が認められること、かつFasligandが発現していないことよりapoptosisに関与する可能性が少ないことを発見した。

Research Products

• [Publications] Y.Kobayashi,et al: "Aggravation of murine experimental allergic encephalomyelitis by administration of T cell receptor gd-specific antibody." Journal of Neuroimmunology. (in press).
• [Publications] A.Inukai,et al: "Expression of Fas antigen is not associated with apoptosis in human myopathies." Muscle & Nerve. (in press).
• [Publications] 高野明美 他: "筋緊張性ジストロフィーの筋組織における糖鎖異常" 厚生省精神・神経疾患研究委託費「筋ジストロフィー及び関連疾患の臨床病態と治療法に関する研究」班会議 平成8年度報告書. (印刷中).