1996 Fiscal Year Annual Research Report
DNA免疫法による免疫性神経疾患の治療・修飾に関する研究
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08877106
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
山村 隆 国立精神・神経センター, 神経研究所・疾病研究第6部, 室長 (90231670)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 慶吉 国立精神, 神経センター・神経研究所・疾病研究第6部, 室長 (40117148)
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Keywords | DNA免疫 / 免疫性神経疾患 / T細胞ワクチン / 自己免疫病 / エルゴタイプ |
Research Abstract |
自己免疫性神経疾患の治療法としてDNA免疫法を導入するために、予備的検討をおこなった。 1.T細胞抗原受容体(TCR)Vβ17a50-68特異的T細胞の解析: SJL/Jマウスの脳炎惹起性T細胞で頻繁に使用されているVβ17a由来のペプチドによる自己免疫性脳炎EAE抑制機構を解析し、TCR特異的でCD4^-CD8^-のT細胞が免疫調節に関与することをはじめて証明した(Journal of Immunology誌に発表)。DNA免疫によってCD4^-CD8^-のT細胞が誘導されるかどうか検討する必要がある。 2.脳炎惹起性T細胞クローンTCRのクローニング: 脳炎惹起性T細胞クローン4b.14aのTCRクローニングを開始した。DNA免疫とともに、可溶性TCRによるEAEの抑制実験を計画している。 3.エルゴタイプ分子のクローニング: T細胞活性化分子を認識するT細胞による免疫調節機構は、抗エルゴタイプ応答と命名されているが、その実態は明らかでない。エルゴタイプをクローニングすれば、そのDNAによりEAEが治療できる可能性がある。我々はこれまでに、エルゴタイプを認識すると思われるモノクローナル抗体B8を樹立している。B8に反応する分子のクローニングを継続し、2種類のB8反応性分子が同定された。しかし、その一つは既知の細胞内蛋白、もう一つはニューロフィラメントの逆転DNAの発現産物であることがわかった。既知の細胞内蛋白がエルゴタイプそのものであるかどうか、現在検討中である。
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[Publications] MF Kozovska: "T-T cellular interaction between CD4^-CD8^- regulatory T cells and T cell clones presenting TCR peptide. Its implication for TCR vaccination against EAE" Journal of Immunology. 157. 1781-1790 (1996)
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[Publications] T.Yamamura: "An α-chain TCR CDR3 peptide can enhance EAE induced by myelin basic protein or proteolipiol protein" Journal of Neuroscience Research. 45. 706-713 (1996)
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[Publications] 山村隆: "多発性硬化症の発症機構とT細胞レセプター" 臨床免疫. 28. 1178-1184 (1996)
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[Publications] 山村隆: "神経系免疫疾患-EAEを中心に" 免疫Immunology Frontier. 6. 161-166 (1996)
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[Publications] 山村隆: "T細胞ワクチネーションの作用機構" 臨床免疫. 印刷中.
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[Publications] 山村隆: "自己免疫性脳炎の発症機構とその制御" シンポジウム炎症と免疫. 5. 90-95 (1996)