1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08877122
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金 鐘栄 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (40262018)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渋谷 和彦 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (80206151)
磯田 貴義 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (80272574)
久保田 雅也 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (90251272)
成高 信一 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (60179314)
榊原 洋一 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (10143463)
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Keywords | Pax5遺伝子 / アポトーシス / 無ガンマグロブリン血症 / B細胞欠損 |
Research Abstract |
平成8年度は次のような実験を行った。 本年度、基礎実験として、患者の末梢血と骨髄血を用い、その造血3系統の減少に加え、電顕で、赤芽球、骨髄球のアポトシース及びCFU/c、BFU/cコロニー形成能の減少を確認することができた。リンパ球系の発生分化の異常は、B細胞欠損の以外に、新たにCD16、CD56陽性NK細胞とTCR rδ T細胞が減少(0〜1%)したことも判明した。また、FACSの検索より、骨髄には、CD34^+CD19^+ProB細胞が少数ながら存在したが、CD34^-CD19^+Pre B細胞が確認しえなかった。すなわち、本疾患の病態はB細胞分化のProβ/Preβステージにおける分化異常であることを強く示唆した。一方、RT-PCR法より、Pax5遺伝子のmRNAが検出できなかった。プライマーの設定及び検体量などの問題もあり、改善すべき点を残しているが、次年度さらに検討していく予定である。また現在、B細胞の分化をより細かく分類するために、mb_1(Tg alpha), B29(Tg beta)などのプライマーの設定と条件を確立すべく準備中。なお、家系のPax5遺伝子の遺伝形式及び本人のPax5遺伝子の分子機構異常を明らかにするために、我々はすでに両親の末梢血由来EBv感染B細胞株及び本人と父親の骨髄血由来fibroblast初代培養細胞株を樹立した。但し、本人の汎血球減少が進行したために、本人由来のEBV感染B細胞株及び末梢血PHA T細胞blastにSV40ori^-プラズミドより形質変換した細胞株の樹立を数回も繰り返したが、まだ樹立できず、再度に試みる予定である。
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