1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08877130
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
中江 陽一郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (40188876)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有田 二郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (40246369)
厚川 清美 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (80218908)
浜野 晋一郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (80208595)
松島 宏 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (70190460)
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Keywords | 遺伝子治療 / 中枢神経障害 / 神経成長因子 / 神経成長因子受容体 / 遺伝子導入 / 不死化神経細胞 |
Research Abstract |
研究目的:小児中枢神経障害に対する治療は神経細胞がすでに分裂能を有さないことや、脳血液関門の存在が大きな壁となっている。本研究では多分化能を有する未分化神経細胞を不死化した後、この細胞内に神経系の成長・分化・再生を促す遺伝子を導入。これを再び生体に戻しin vivoでこの特定の因子を発現させることで、脳障害の治療を目指すことを目的とする。具体的には、(1)温度感受性変異SV40-Tを用いた未分化神経芽細胞の不死化細胞株を用いてin vivoにおいて脳内にNGF受容体遺伝子(trkA)を過剰発現できうるか否かを検討する。 (2)脳障害の改善が図れるかを検討するため、このモデル動物に外的刺激による脳傷害を起こした後、NGFを全身投与し中枢神経系の傷害修復機能に果たすNGFの役割を検討する。 研究結果: NGF受容体遺伝子(trkA)が未分化神経細胞の分化を誘導できるか否かをin vitroにおいて検討した。このため、本年度はまず不死化神経細胞の代わりに、培養樹立細胞を用い、trkA発現ベクターをこの神経細胞にトランスフェクションし、trkAを発現するstableなトランスフェクタントを樹立した。得られたトランスフェクタントは細胞表面上にTrkAを発現し、NGF投与に反応して、immediate early-responceとしてのEgr-1遺伝子の一過性の発現上昇と、late-responceとしての形態学的分化(神経細胞のネットワーク形成)を呈した。このトランスフェクタントをヌードマウスに移植した後、ヌードマウスにNGFを全身投与したところ、未分化神経細胞の分化誘導が認められた。これらのことから、人為的なNGF/trkAカスケードの構築による未分化神経系の分化・成長・維持は可能であり、中枢神経系の障害修復に応用できうると考えられた。
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